起業する際に拘りたいそれぞれの印鑑の用途。
それぞれの印鑑によるトラブル時の対処の違い。
会社を設立する上で印鑑は欠かせないものですが、契約に使用する際に使った印鑑によってトラブルなどが起きた際に判断や対処がしやすくなるといったメリットが生じます。
契約書の有効性や効力といったものを判別する場合の判断材料として印鑑を用いられますが、一般的には契約書に捺印するのは認印か法人実印といわれる会社の代表としての印鑑を使用します。
この法人実印は、起業するにあたって法務局などへの届出の手続きが必要な法律上有効と認められている物なので、この印鑑を使用して契約書に印を押した場合は個人ではなく会社として契約をするという意思表示と判断することができます。
つまり法人実印は認印に比べてそれだけ重要な意味合いを持っているといえます。
状況に合わせて使い分けるために必要な4種類の印鑑。
会社設立に必要とされる印鑑は1種類でも問題はありませんが、状況によって使い分けることができるように、数種類程度持っていると安心です。あると便利なのは代表者印、銀行印、社印、ゴム印の4種類です。
代表者印とは会社を設立する際に法務局に提出する義務のある物で、この印鑑を使用する場合は会社としての意思であるという意味合いを持つ非常に大事な印鑑です。
銀行印は会社としての銀行口座などを開設する際に必要となる印鑑で、主に手形や小切手などの発行の際に必要です。これらの手続きは代表者印でもできますが、代表者と会社のお金を管理する人間が別の場合は別に用意をしてこちらを持たせておくことで業務の効率が上がります。
社印は金銭の請求書や領収書といった日常の業務で取り扱うことが多い書類への捺印に使います。こちらも代表社印でも可能ですが、業務上の手間を考慮した場合、作っておいたほうが効率がいいです。
ゴム印は署名の代わりとして使用する事ができる印鑑で、一般的に社名や所在地などが記入されています。
会社としての拘りを持ちたい人は書体を使い分ける
印鑑にはそれぞれ書体という物があり、形や印字されている字が違います。一般的に書体は篆書体、印相体、隷書体、古印体の4つに分けられます。
篆書体とは文字が非常に複雑な形をしている書体で、偽造を行うのが難しいことから法人実印などの重要な印鑑を作る際に採用されます。一般的に知られている日本紙幣に使われているのもこの篆書体です。
印相体は篆書体をさらに複雑な形にした書体でこちらも偽造することが難しいとされています。企業によっては篆書体と印相体を使い分けることもあります。
隷書体は一般の人でも読みやすい書体で作られている印鑑で読みやすいことで安全面を配慮して、一般的にはさほど重要ではない書類などに捺印する認印として使われることが多いです。
古印体は文房具店などで手軽に手に入る最もポピュラーな印鑑に使用されているもので、こちら安全管理上認印などに使うのが良いとされます。このように同じ印鑑でも書体によって安全面などに違いがあるので会社を設立する際は書体のも拘るといいでしょう。