祖父名義の土地でこんなに苦労するとは。相続人が30名以上になった事例

相続登記で当事務所にご相談いただいた方の実際にあった事例をご紹介します。今回は、相続人が30名以上になってしまった事例です。

相談前のご状況

Nさまがお父さまの相続手続きを行ったところ、祖父名義のままになっている土地が残っていました。相続するためには、祖父の相続人にあたる父の兄弟3人にも協力してもらわないといけません。Nさまは、そんなに大変なことにはならないだろうと思っていましたが、蓋を開けてみると、お祖父さまが亡くなった後にお叔父さま（父の兄弟）が亡くなり、その叔父さまの妻も亡くなり、相続権が叔父の妻の兄弟や甥姪にまで承継されていることが判明。最終的に相続人の数はなんと30名を超えてしまっていました。

相談後のご状況

相続人の調査を終えた段階で、連絡が取れる相続人には、個別に連絡を行い手続きの協力を取り付けました。一方で面識のない相続人の方には、丁寧な事情説明のお手紙を作成し送付することにしました。幸いなことに手紙をみて協力していただける相続人の方が大半で、一部連絡が取れない方もいましたが、その方のご兄弟に動いてもらうことができ、無事全相続人から遺産分割協議書を取得することができ、祖父名義の土地の名義変更も完了することができました。

相続人が多数にわたる場合は司法書士に相談ください

今回のケースのように相続登記などを長年放置すると、相続人にも亡くなる方が出てきて、相続権は次へ次へと承継されることで、相続人の数が数十人にのぼることがあります。相続人が多数にわたる場合は、1名でも非協力的な相続人がいるだけで、手続きが止まります。そのため、スムーズに協力いただけるように、相続人に配慮し、わかりやすく詳細な事情の説明をしなければなりません。すべての相続人に対し個別に、丁寧な対応を求められますので、相続人の数が多くなるほど負担も増します。おひとりで抱え込まず、専門家にぜひご相談ください。