相続税申告期限まであと1か月!未分割申告や延納申請にも対応

相続税に関して、当事務所にご相談いただいた方の実際にあった事例をご紹介します。今回は、相続税申告の期限まで1か月を切ってしまい、対応に苦慮されていた方の事例です。

相談者A様

年齢40代

性別男性

居住地福島県いわき市

職業自営業

財産内容

  • 相続人数:2名
  • 財産内容:いわき市内に複数の不動産(合計すると2億円以上の価値)、預貯金700万円、その他財産700万円

ご相談の内容

A様はお父様がお亡くなりになった後、ご自身で相続手続きを行うつもりでしたが、A様はご多忙により、手続きを進めることができませんでした。しかも、A様は他の相続人とどのように遺産を分けるか話し合いも進めておらず、遺産分割についてもまだ悩んでいる状態でした。そうこうするうちに時は過ぎ、当事務所にご相談にいらっしゃったときには、すでに相続税の申告期限まで残り1か月を切っていました。

ご相談でお話を伺っていくと、期限の問題だけでなく、納税資金が足りない可能性もでてきました。A様は相続税は500万円もあれば足りるだろうとお考えでしたが、亡くなられたA様のお父様はいわき市内に不動産(収益不動産含む)を複数所有しており、不動産だけでも財産価値が2億円相当にのぼり、相続税額を試算してみると5,000万円以上になりました。さらに、相続財産の9割以上が不動産で、現金の相続がほとんどなく、A様がお持ちの現金を合わせても、納税資金が足りないことが判明したのです。

他の相続人と遺産分割の話し合いをまとめ、納税資金の準備を、残り1か月で行うのは至難の業です。あせったA様は自分で手続きすることをあきらめ、当事務所にご依頼いただきました。

ベストファーム税理士法人による対応

A様のケースでは3つの問題がありました。

1つ目の問題は申告期限が迫っており、期限に遅れるとペナルティを受けてしまうことです。相続税の申告が遅れると延滞税や無申告加算税などのペナルティが課されます。ペナルティは相続税額をベースにして計算されます。A様の納税額は5,000万円以上と試算され、もし申告期限に遅れると、ペナルティの金額がかなり大きくなってしまうことが見込まれました。そこで当事務所では「未分割」(法定相続分にて分けたものとみなして)にて、いったん仮で相続税申告を行いました。遺産分割協議を済ませて遺産の配分と相続税額が決まり次第、修正申告または更正の請求が必要ですが、ひとまずは申告期限に間に合わせることができました。

2つ目の問題は、相続税を納付するための納税資金が足りないことです。相続税は金銭での一括納付が原則ですが、一括納付が難しい状況でした。そこで当事務所では延納をA様に勧め、延納を申請することとなりました。延納とは、期限までに相続税を金銭で一括納付することが難しい場合に、担保を設定することで、年払いで納付することができる制度のことです。今回は未分割申告後に遺産を担保として設定し、延納を申請いたしました。

3つ目の問題は遺産分割協議がまだ終わっていないことです。未分割申告後、遺産分割協議を実施しなければなりません。A様は遺産分割についてもまだ悩んでいる状態でしたので、当事務所からは①相続税額を低減できる「小規模宅地等の特例」の適用を見据えた分割と、②今後の分納額や生活費を見据えた収益不動産の分割についてご案内いたしました。

申告期限までに相続税申告が済むか不安なら税理士にご相談ください

今回は相続財産に不動産が多いうえに、相続税額が高くなることが見込まれるケースでした。このようなケースではペナルティを受けた場合、負担がかなり大きくなる可能性があります。A様の場合、申告期限まで1か月しかありませんでしたが、なんとかペナルティを回避することができました。相続税申告は一般の方にとってはかなり難易度の高い手続きです。期限が迫るほど個人での対応は難しくなります。ある程度時間が経っても手続きが進まないようなら、税理士にご相談ください。実績豊富なベストファームなら、期限まで短い中でもお客様の不利益にならないよう最大限尽力いたします。