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後見人は保証人にはなれない理由とは

後見制度

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更新日

高齢者施設等にご入居の際に求められる「保証人」。
後見人はこの保証人にはなれないということはご存じでしょうか?

後見人の役割

後見人には2つの役割があります。

財産管理

被後見人(後見を受ける人、以下本人とします)に代わって、本人の財産を保全・管理します。本人に必要と思われる支払いを代わって行ったり、判断能力が落ちている本人が不必要な買い物をしないように管理します。
法律上は本人と同じ立場に立って財産を管理します。

身上監護

判断能力が落ちた方は自分で生活環境を整えることが難しいため、後見人が適切な入居先への転居手続きや必要な介護サービスを受ける手続きをします。

高齢者施設等が求める保証人の役割

金銭の保証

本人が施設費用を払えないときに代わりに払う

身元引受

退去するときに退去手続きや部屋の片づけを行う

 

この2つがあり、いずれも「本人以外の第三者」を用意する必要があります。

後見人が保証人になれない理由

後見人は先に記した通り、「本人と同じ立場」で財産の管理を行いますので、高齢者施設等が求める、「本人に代わって支払う第三者」にはなれません

本人と同じ立場ということは、「=本人」ということになるので、「本人が本人の保証人になる」ということはできないからです。
(法律用語で利益相反行為と言いますが、後見人はこれを禁止されています)

ですので、後見人は保証人にはなれないのです。

実際に困るケース

ケース1.既に認知症になって後見人がついていたが、いざ入居となったときに保証人に名前が書けなかった

上述したように”後見人は保証人にはなれない”ので、入居先の保証人欄には名前が書けません。
後見人は被後見人(本人)について行ったことについて家庭裁判所へ報告する義務がありますので、保証人欄に後見人の名前を書くと家庭裁判所より取り消すよう指示があります。
このため後見人は、本人のために保証人となってくれる人、または保証会社を探して手続きをしなければなりません。
(もしくは、後見人が本人について一切の責任を負うという説明をしてご入居する施設の方がそれでOKとするのであればご入居は可能な場合もありますが、レアケースと思います)

ケース2.ご入居していた方が亡くなったため身元の引き取りが必要になったが後見人ではできない

後見人が及ぶ範囲は”生前に関すること”になり、亡くなったあとのことは後見人の範囲外です(後見人に限らず、様々な契約のほとんどは生前契約であり、ご逝去と共に効力は無くなります)
ところが、病院や高齢者施設からは「後見人なんだから身元の引き受けもしっかりやってほしい」という要望を出されます。いつまでもお身柄やお部屋をそのままにしておくこともできません。結果、後見人が行うことになりますが範囲外のことなので報酬や精算立替などはどうするのかという問題が、ご遺族との間で起きることも多々あります。
これを予防するには、後見人とは別に、本人がお元気な状態のときに亡くなったあとのことを行って頂ける親族を探しておく、または「死後事務委任契約」を後見人やその他法人と結ぶ等を行っておく必要があります。

まとめ

「後見人がいるからもう大丈夫」と思っている方はご利用者にも病院関係者、施設運営者にもたくさんいらっしゃいますが、認識に違いがあり実際にトラブルになることも少なからず発生しています。
後見人は万能ではありません。
これからのご生活を設計される上で、後見人ではできないことは何かをしっかりと把握されることも大事です。
特にご入居やご逝去など人生の一大事において、対応できる方がいない状態にならないよう、お元気なうちから準備をしておきましょう。

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