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終活での「自分史」の書き方は?おすすめのテンプレート(構成例)も紹介

家族

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自分史には「終活における自分史」と「就活における自分史」の2種類があります。ここでは、終活における自分史について、書き方やおすすめの構成例などを具体的に紹介しています。

はじめに「自分史」って何?

まずは、2種類の「自分史」について概要を紹介します。

高齢者が“終活”のエンディングノートに書く「自分史」

1種類目の自分史は、高齢者が終活のエンディングノートに記す自分史です。エンディングノートとは、いつか必ずやってくる死に備え、自己の情報を書き記すためのノートを指します。

そもそも「終活」がなにかよくわからないという方は、こちらの記事を先にご覧ください。

終活とは?何を準備すればいい?終活でやること

エンディングノートの内容は人それぞれで、葬儀の希望や遺産関係の申し送り事項など遺された人たちへのメッセージを書く人もいれば、自分史を中心に書く人もいます。

ここでいうと自分史とは、文字通り、自らが刻んできた歴史の描写そのものです。人生の終盤で自分の歴史を振り返り、自分史をまとめると、これまでの人生でやり残したことや、これからの人生でやりたいことがまとまり、充実した時間を過ごせるようになります。

また、自分史の役割は書いている本人の人生の記録というだけではありません。家族のルーツや家系について調査し自分史に記すことで子々孫々まで家族の情報を残すことができます。家系やルーツに限らず、親や祖父母の人となりや自分自身の歩みといった具体的な情報を家族に伝えられます。

エンディングノートと遺言書は、どちらも遺産相続に関する内容を書けるので混同されがちですが、エンディングノートには遺言書がもつような法的効力はありません。

遺言に法的効力を持たせたい場合は、法律の定める様式で遺言書を作成する必要があります。エンディングノートに遺産相続の内容を記載するなら、親族間の揉め事を避けるためにも、遺言書でも遺産相続について定めることを推奨します。

【相続対策】遺言書の作成方法|法的効力が認められるには検認が必要?

大学生が“就活”でESに書く「自分史」

2種類目の自分史は、大学生が新卒時の就活でES(エントリーシート)に記載する自分史です。就活の自分史では、深く記憶に残る出来事や、生き方の転機となったイベントを時系列順で書き出します。要するに、自分自身について社会人になるまでの簡潔な年表を作成することです。

自分史を作成するためには、自分の過去を俯瞰的に眺める必要があります。こうした取り組みを通じて、大学生は、今日の自分を形成する要素や自分でも意識していなかった転機の存在を自覚し、ひいては自分自身の強みや弱みを把握できるようになります。

また、積み重ねてきた人生の選択を第三者的な目線で見ることによって、自分が本当にやりたいことや未来の理想的な自分像の発見に役立ちます。就活においては、特にこの理想的な自分像を明らかにすることこそが自分史作成の大きな目的とされています。

【自分史の書き方】エンディングノートに書く場合のルールは?

ここからは、終活の際にエンディングノートの中に盛り込む自分史の書き方について、詳しく解説します。

1.「自分史」の目標を踏まえ構成(目次)を考える

終活で自分史を作成する場合、まずは目標の明確化が重要です。家族や子孫に残しておける記録を作成したいのか、それとも、今後の生きがいを探りたいのかなど、じっくり自分と向き合って目標を見つけてください。

目標が見つかったら、それに沿って構成(目次)を作成します。構成といっても難しく考えなくて大丈夫です。本の目次をイメージして、大まかに考えましょう。思いつかない人は、ひとまず下記で紹介する目次の例を見本にして書き始めてください。

【目次例】

タイトル 「人生の歩み」
前書き 「自分史作成に至る経緯」
第一章 履歴 ・学歴
・職歴
・その他経歴
・学生時代の思い出
・就職活動のこと
・職歴を振り返って思うこと
第二章 自分史 ・幼少期、学生時代に印象深かった経験
・就職活動、仕事を通じて得た教訓
・仕事を通じて得た喜び
・配偶者との出会い
・配偶者との思い出
・第一子の誕生
・子育ての苦労と楽しみ
・趣味
・人生におけるモットー
・ライフワークについて
第三章 家族史 ・我が家のルーツ
・両親の人柄
・両親との思い出
・祖父母の人柄
・祖父母との思い出
第四章 おわりに ・家族、親族、友人への感謝

上記の例は、家族や子孫に思い出を残すことを目標とした場合に参考にできます。重視する部分は内容のボリュームを増やし、触れる程度でいい部分はボリュームを減らすなどして、内容にメリハリをつければ、より読み手に伝わる自分史になります。

また、家族との思い出を描く際も単に事実を羅列するのではなく、その時どきの感情と思いをしっかりと描写するのがポイントです。

まとめる情報を整理し、年表を作成する

目次案ができたら、次はまとめる情報を整理して年表を作成します。目次自体に年表の役割を兼ねさせる人もいるかもしれませんが、社会情勢や時代背景と自分自身の生き方の変化をひもづけるためにも、年表は目次とは別に作成するのがおすすめです。

年表を作成するには、出来事が起こった年代を正確に把握して書き出す必要があるので、まずは履歴書の表形式で整理してみましょう。

下準備として、自分史の参考資料となる思い出の品(日記、手帳、アルバム、昔使っていた携帯電話、学生時代の表彰状、新聞の切り抜き)を手元に揃えます

次に、生誕、成人、還暦などタイミングが固定されたライフイベントや結婚、出産など人生の転換期となった独自のライフイベントを書き出し、関連する思い出の品とセットにして時系列順に並べてください。

車や釣り、野球、ピアノ、水彩画などそれぞれの趣味のグッズを揃えるのも良いでしょう。脳が刺激され、ライフイベントの詳細な記憶やその時その瞬間のイキイキとした感情が甦りやすくなり、自分史の執筆に役立ちます。

自分のルーツである両親や祖父母、先祖や親戚などについても調べる

自分のルーツである両親や祖父母、祖先や親戚についても調べておきます。可能であれば戸籍謄本などを取得し、正確な出生年月日と死亡年月日を確認しながら、辿れるところまで辿りましょう

戸籍などを取得する方法には、本籍地の市区町村役場の窓口で請求する方法と、郵送で請求する方法があります。郵送請求する場合は、戸籍の申請書や手数料分の郵便小為替などが必要です。具体的な手数料や必要書類については、各自治体のホームページを確認してください。

なお、戸籍制度は明治期以降に制定されたため遡るにも限度がありますし、戦争などで消失している場合もあるので、すべてを漏れなく集められるとは限りません。

また、戸籍の他にも、家系やルーツに関する古文書がないか自宅を探しても良いでしょう。家の菩提寺があるなら、過去帳を確認するのも一手です。過去帳とは、故人の法名、俗名、生没年月日などを記入した帳面で、通常は寺院に安置されています。上手くいけば、過去帳でご先祖を遡ることができるかもしれません。

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3.書籍を見本にしたり、テンプレートやフォーマットを使って執筆する

自分史の書き方や文字数は自由で、決まったルールはありません。年表を主にしたまとめ方や、ライフイベントごとに章分けする方法以外に、小説・エッセイ・詩集・論文などの形式でまとめることもできます。

もっとも、最初に作成した構成案に沿って、書きやすいところから書いていくスタイルをとるのが苦労なく書き進めるコツです。

エンディングノートにまつわる書籍や、自分史のテンプレート、フォーマットなど参考にできるアイテムも沢山出回っているので、アイデアを借りたり、発想の土台にしたりするのも良いかもしれません。

自分史のスタイルが固まってきたら、いよいよ執筆開始です。文章だけでなく挿絵や写真をはさむ場合は、これらの下部に小さくキャプション(短いコメント)を付けると、読み手の理解が進みます。

また、文章ではなく写真メインで、いわゆるインスタグラム風にまとめるスタイルも文章が苦手な人にとっては良い手法です。「百聞は一見に如かず」のように、100の文字よりも1枚の写真が効果的に時代背景などを物語ってくれるでしょう。

自分が面白いと思うアイデアをどんどん取り入れると、独創性あふれる自分史を作り上げられます。

本や記録簿としての体裁をさらに整えたい人には、印刷会社や出版社にオリジナルの自分史作成を外注する手もあります。

自分史が出来上がったら、自分の葬儀の希望や財産のことなど他の事項についても記入し、エンディングノートを完成させましょう。

4.エンディングノートの保管方法にも注意する

エンディングノートを作成したら、保管方法にも配慮したいところです。エンディングノートには大切な個人情報が沢山含まれているため、万が一にも悪用されないように、見つかりにくい場所で厳重に保管してください。

なお、一度作成したからといってそれで終わりではありません。定期的にエンディングノートを見直して、心身や資産の状況に変化があれば都度書き直しましょう。半年~1年に1回などペースを決めて定期的に見直すのも、近況や心境の変化を忘れないうちにエンディングノートへ反映できるのでおすすめです。

自分史づくりに役立つテンプレート【構成例】

ここでは、自分史を作成する際に参考にできるテンプレートを紹介します。

第1章「履歴(職歴・学歴など)」

自分史の第一章では、学歴や職歴といった人生の軌跡を順に記載します。具体的には、次のような項目について書き記しましょう。

  • 学歴
  • 職歴
  • その他経歴
  • 学生時代の思い出
  • 就職活動のこと
  • 職歴を振り返って思うこと

 

就職活動の履歴書においては、つらつらと事実を羅列して書くだけになることが多いですが、エンディングノートの自分史では「19××年 ●●中学校に入学」といった事実の記載だけでは終わらせません。

学生時代を振り返ってみると、部活動、趣味、友人との交流など、勉学以外にもたくさんの思い出があるでしょう。自分史では、それらの思い出を履歴とセットで短く紹介します。

具体的なエピソードや印象深い思い出は次章で詳細に描くとして、。例えば、「19××年 ●●中学校に入学 当時人気のあった△△部に所属する。2年生からレギュラーの座を勝ち取り、3年生になってからはありがたくも部長に指名され部員たちをまとめあげることになった」というふうに、端的に書くのが良いでしょう。

第2章「自分史」

第二章は、エンディングノートにおける自分史のメインになるパートです。具体的には、次の項目に触れます。

  • 幼少期、学生時代に印象深かった経験
  • 就職活動、仕事を通じて得た教訓
  • 仕事を通じて得た喜び
  • 配偶者との出会い
  • 配偶者との思い出
  • 第一子の誕生
  • 子育ての苦労と楽しみ
  • 趣味
  • 人生におけるモットー
  • ライフワークについて

 

学歴や職歴を中心に記した第一章の流れを汲みつつ、、自分の心の奥にあるとっておきの思い出や、エピソードの数々を、写真や挿絵で彩りながら情緒的に描きましょう。

第一章で紹介したエピソードよりも、自分にとってさらに意義深い内容をピックアップし、深掘りして描いていきます。自分の人生に不可欠だった趣味やライフワークを紹介し、それにまつわるエピソードを描くのもおすすめです。

例えば、配偶者との出会いから交際に至るエピソードを描くなら「19××年に●(配偶者の名前)と出会い、交際開始」と事実を単に記載するのではなく、「●と初めて出会った日のことを今でも鮮明に覚えている。あれは、満開の桜が咲き誇る暖かな春の日だった」と小説やエッセイ風に表現することで、当時の情景を読み手に伝えやすくなります。

自身の人格形成に大きな影響を与えたエピソードはどのようなものだったか、静かな場所でゆったりと振り返ってください。自分自身を主人公とした一本の小説を書き上げる気持ちで筆を進めましょう。

第3章「家族史」

第三章では、家族との絆を中心に描きます。具体的な項目の例は次の通りです。

  • 我が家のルーツ
  • 両親の人柄
  • 両親との思い出
  • 祖父母の人柄
  • 祖父母との思い出

 

家族への感謝こそが自分史を作成する大きな動機の一つと考える人は、この「家族史」の部分で、改めて家族の大切さについて考え、自分の言葉で表現してください。結婚、出産、入学式、卒業式など、家族にまつわるイベントごとのエピソードを、ぬくもりにあふれた言葉で描写できるのは自分史を作る本人だけの特権です。

例えば、「父は職人気質で無口だったが、優しい人だった。父との思い出で特に印象深いのは~である」など、家族一人ひとりの印象や思い出について表現したり、「あの時は照れくさくて伝えられなかった感謝の気持ちを、ここに記しておきたい」と心に秘めていたメッセージなどを随所にちりばめたりするのも良いでしょう。

第4章「人生を振り返り、伝えたいこと」

第一~三章の執筆を通じて、きっと、過去のいろいろな思い出が呼び起こされたことでしょう。第四章では思い出の一つ一つを、より俯瞰的な目線で眺めます。人生の幸福、悲しみ、苦しみ、怒り、切なさなど、過去に経験した大きな感情を教訓や生きがいとともに振り返り、総まとめに入ります。

例えば、「私の人生を一言で表すなら、~である」など、自分という人間の生き様や一生を総括するのもおすすめです。人生をドラマや映画に見立て、そのキャッチフレーズを考える感覚で言葉を選んでみるのも良いでしょう。

総まとめができたら、最後に大切な家族、友人たちへの感謝のメッセージを綴ります。

全国シルバーライフ保証協会に死後の手続きのご相談もお任せください

自分のためだけではなく、大切な家族や友人のために自分史を残す人が増えています。自分史の形式や内容は本人が自由に決められますが、まずは目次を作って資料を集めてから執筆に入るほうがスムーズに描けるのでおすすめです。

自分史を作成する人の多くは、終活について真剣に検討しています。特に、遺された家族に迷惑をかけないために、死後手続きの段取りも整えておきたい人は多いとみられます。とはいえ、死後手続きや終活に関する知識は一般的とは言い難いので、スムーズに進めたいなら専門家への相談がおすすめです。

全国シルバーライフ保証協会では、高齢者が施設入居する際に「連帯保証人」「身柄引受人」となることで、ご希望の施設に入居して、安心・安全な生活ができるように支援しております

「葬儀信託プラン」(東京シルバーライフ協会ではカナエルの「葬儀納骨パック」として提供しています)のサービスを利用すれば、葬儀などの死後手続きに関する心配を大幅に軽減できます。相談だけでも受けつけていますので、まずは、お気軽にお電話ください。

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この記事の担当者

大倉 弘行シルバーライフカウンセラー│東京シルバーライフ協会代表理事│BF・H株式会社常務取締役

大倉 弘行シルバーライフカウンセラー│東京シルバーライフ協会代表理事│BF・H株式会社常務取締役

2009年ベストファームグループ入社。2013年から高齢者の身元保証、任意後見、死後事務委任等のサービス「オーカスタイル」の立ち上げに従事。2019年 東京シルバーライフ協会代表理事として、同グループの高齢者支援事業の責任者を務める。

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