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「形見」ってどんなもの?遺品との違いや形見分けの注意点も解説

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形見と遺品は混同されやすいですが、実際は別物です。ここでは、形見と遺品の違いをはじめ、形見分けと遺品整理の違いや、宗教ごとの形見分けのタイミング、形見分けの際の注意点について解説します。

形見と遺品の違いについて

はじめに、形見と遺品の違いについて解説します。形見なのか、遺品なのかによって扱い方が大きく異なるため、迷ったときは家族内で相談するなど、慎重に判断しましょう。

「形見」と「遺品」の意味の違いとは?

遺品とは、故人が所有していたものの総称です。家具、家電、衣類、靴、バッグ、趣味の品、写真、手紙、手帳などが遺品の例です。

ただし、故人の所有物の中でも、金銭的な価値が高いものは「遺品」ではなく、「遺産」として区別し扱われます例えば不動産や高級車、宝石などです。

形見とは、故人の思い入れが深かった品物を意味します。たとえば、故人が愛用していた日用品や、よく身に着けていたアクセサリーなどが形見にあたります。

形見の語源は、「遺された品を通じて『故人のかたち(姿)が見える』こと」。したがって、形見を受け取った人が、それを見ただけで故人を思い出させる品物が、形見にあたると考えてよいでしょう

形見分けと遺品整理の違い

形見分けと遺品整理は、混同されることが多いです。ここでは、形見分けと遺品整理の違いについて解説します。

形見分け

「形見分け」とは形見を故人の親族や親しい友人・知人などへ贈ることです。そしてこれには、人が肌に纏うものには魂が宿るという日本的な思想が根付いています。昔は丈を直せば誰でも着続けられる着物が、代表的な形見分けの品物でした。

現代では、故人が愛用していた品は着物でなくても形見分けの対象になりますが、愛用品なら何でもよいわけではありません。たとえば、衣類を形見分けするなら、あまりにも劣化しているものは避けるのがマナーです。

形見分けをする人は、受け取った人がその愛用品を通じて故人を感じ、思い出を分かち合えるような品物を選びましょう

遺品整理

遺品整理とは、故人の遺品を、必要なものと、不要なもの(処分可能なもの)に仕分ける行為です。また、故人の部屋や家を整理し、掃除をしてきれいにするまでの一連の流れを、遺品整理と呼ぶこともあります。

遺品整理を行うタイミングに決まりはありませんが、葬儀後数カ月以内に行うのが一般的です。

故人を偲ぶ気持ちが大きいが故に、故人の部屋を亡くなった時の状態のままにする遺族もいますが、故人の住まいが賃貸住宅だった場合は契約上の問題や家賃のトラブルが発生する恐れがあります。

無用なトラブルを避けるためにも、賃貸住宅の場合は早急に遺品整理を行うべきです。

【宗教別】形見分けのタイミング

形見分けのタイミングは宗教によって異なるのが基本です。ここでは、仏教・キリスト教・神道それぞれにおける形見分けのタイミングを解説します。

仏教

一般的に、仏教では四十九日の法要が終わった後に形見分けを行います。四十九日の法要には親族などが集まるので、法要当日にタイミングを見計らって形見分けを行う人も多いです

法要当日に形見分けを行う場合は、四十九日までに形見としてふさわしい品物を事前に遺品の中から選んでおきます

キリスト教

キリスト教には形見分けの習慣がないため、時期に特別な決まりはありませんが、亡くなってから1カ月後(昇天記念日)の追悼ミサのタイミングで、形見分けが行われることがあります。

キリスト教と仏教や後述の神道とは死に対する考え方が大きく異なります。知らず知らずのうちに失礼な振舞いをすることがないよう、葬儀式や追悼ミサに参加する際は、事前にマナーを調べるのが適切です。

神道

神道では、三十日祭や五十日祭といった霊祭のタイミングで形見分けを行うのが一般的です。霊祭とは仏式の法要にあたる、神式の行事のことです十日祭、二十日祭、三十日祭、四十日祭、五十日祭といったように逝去した日から十日ごとに霊祭を行います。

ただし、二十日祭や三十日祭、四十日祭は、基本的に遺族だけで行うこともあり、故人の友人や知人に形見分けをしたい場合、五十日祭を待って行うのがよいでしょう

形見分けの際の注意点

形見分けの際は、故人の持ち物を無分別に形見分けをするのは得策ではありません。ここからは、形見分けの際の注意点を解説します。

現金は相続に関係する場合がある

形見分けで、故人の持ち物を大切にする気持ちは大変尊いですが、贈られた相手にとってありがた迷惑になりかねないことから、近年は故人側が気を使って現金での形見分けを希望するケースが増えています。

このようなケースでは、本来の形見分けの趣旨からは外れるものの、故人の遺志を尊重し、現金が贈られます。ただし、現金で形見分けをすると、遺産分割や相続税の問題が生じる恐れがあるので注意が必要です

専門的な知識がない方は、形見分けをする前に税理士や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

万年筆や時計などは動作を確認しておく

万年筆や腕時計、楽器、オルゴールなどを贈る場合は、形見分けの前に、正常に作動するか否か、確認してください。壊れた品物や、正常に動かない品物を形見として贈る場合は、相手に一言断った上で形見分けしましょう

基本的には壊れていない物を形見分けした方が良いですが、たとえ壊れたり動かなかったりする品物でも、贈る相手によっては形見として受け取りたい品物かもしれません。品物に対する特別な思い入れがある人であれば、壊れている品物を贈っても問題はないでしょう。

指輪などのアクセサリーはリメイクすることも

指輪やネックレスなどのアクセサリーは、形見分けの際にリメイクされることが増えています。アクセサリーのデザインが古かったり、受け取り手の好みに合わないことが分かっていたりする場合は、心遣いの一環として、普段使いがしやすいデザインにリメイクします。

また、形見分けで受け取ったアクセサリーをジュエリーショップなどに依頼してリメイクし、普段使いしている人も少なくありません。相手の好みやサイズが分からない場合は無理にリメイクをせずにそのまま贈って相手に任せるのも一手です。

ペットなどの生き物は形見に適していない

ペットなどの生き物は、形見としては不適切です。たとえ故人の希望であったとしても、受け取った人が困るなら贈るべきではありません。

ただし、生前に故人が相手と約束をしていた場合は別です。故人がペットを形見として贈る旨の意思表示をしていた場合は、必ず、指名された相手に約束の有無を確認しましょう。

故人の大切なペットが、飼い主亡き後も幸せに暮らしていけるよう、生前のうちにペットの処遇についてしっかりと話し合うことが重要です。

一般社団法人全国シルバーライフ保証協会にエンディングサポートのご相談も

遺品の中でも、故人の思い入れが特に深かった品物を形見と呼びます。形見分けをする際は、遺品の金銭的価値に関する慎重な判断が求められます。もし形見分けで現金を贈る場合も、相続や税金面でのトラブルを招かないために専門家に相談するなど細心の注意を払いましょう

また近年では、終活の一環として、どの形見を誰に贈るのかを元気なうちに決めておき、エンディングノートに形見分けの指示を書き記す人が増えています

エンディングノートは便利ですが、終活を進めていると、エンディングノートだけでは解決できない問題も見つかるものです。そんなときは一度、終活の専門家が在籍する一般社団法人全国シルバーライフ保証協会にご相談ください。

一般社団法人全国シルバーライフ保証協会は、身元保証や死後事務といった多種多様な終活関連サービスを扱っています。まずは電話で、些細なことでも気軽にご相談ください。

 

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この記事の担当者

大倉 弘行シルバーライフカウンセラー│東京シルバーライフ協会代表理事│BF・H株式会社常務取締役

大倉 弘行シルバーライフカウンセラー│東京シルバーライフ協会代表理事│BF・H株式会社常務取締役

2009年ベストファームグループ入社。2013年から高齢者の身元保証、任意後見、死後事務委任等のサービス「オーカスタイル」の立ち上げに従事。2019年 東京シルバーライフ協会代表理事として、同グループの高齢者支援事業の責任者を務める。

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