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おひとりさまの老後の住まいは賃貸?持ち家、老人ホーム?選び方も解説

暮らし

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おひとりさまの方の中には、老後の住まいをどこにするかを悩んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか

賃貸、持ち家、もしくは老人ホームなどの高齢者向け介護施設など、おひとりさまの老後の住まいの選択は多くなってきていますしかし、選択肢の多さゆえに選び方がわからないという声も……。

それぞれにメリット・デメリットがあるので、頼れる家族や親族がいないといったおひとりさまのリスクも踏まえたうえで、老後の住まい選びは慎重に行いたいものです。

そこで今回は、おひとりさまの老後の住まいの選択肢を挙げつつ、どのような暮らし方があるのか、選び方の基準や、安心して老後を過ごすために今できることなどを解説していきます。

おひとりさまの老後の住まいは主に4パターンあり!

おひとりさまに限ったことではありませんが、老後の住まいは主に賃貸、持ち家、介護保険施設、介護保険施設以外の高齢者向け施設の4パターンが挙げられます。それぞれのメリット・デメリットについて解説します。

賃貸のメリット・デメリット

マンションやアパートなどの賃貸は、ライフスタイルの変化に応じて、自分のタイミングで好きな場所へ住み替え可能というメリットがあります。隣人トラブルが起きても、気兼ねなく引っ越しできます。

持ち家のように固定資産税や都市計画税などの税金を支払ったり、住宅ローンを返済したり、修繕費やリフォーム代の捻出を考えたりする必要もありません。基本的に家主が負担するからです。

ただし賃貸生活を続ける限り、家賃が発生し続ける点はデメリットです。契約の更新時には、家賃1カ月分ほどの更新料が必要なケースもあります。

また、大家が高齢のおひとりさまへ物件を貸し渋ることもあり、希望物件に入居できないリスクもあります。

さらに自分の判断で、物件のリフォームはできません。「老後はバリアフリーにしよう」と考えていても、家主の許可がなくはできません。

賃貸物件に入居する際は、基本的に保証人が必要ですが、「家族や親族がいないおひとりさまは保証人探しに苦労しやすい」点もデメリットですね。

マンションや戸建てなどの持ち家のメリット・デメリット

分譲マンションや戸建てなどの持ち家をすでにお持ちのおひとりさまは、老後の住まい確保に困らないというメリットがあります。賃貸と異なり、住宅ローンを完済したあとは自分の資産になる安心感も大きいでしょう。

自分の資産なので、ライフスタイルの変化があってもリフォームで暮らしやすさがアップします。バリアフリーも自由です。賃貸のように、家主の許可を得る必要もありません。

また、「リバースモーゲージ」を利用できる点もメリットです。リバースモーゲージとは、自宅を担保に生活資金を借り入れ、自宅に住みながら利息のみを支払うタイプの高齢者向け融資です。

借り入れたお金は本人の死亡時、または契約期間終了時に自宅を売却して一括返済します

一方のデメリットには、多様な費用の負担があります。固定資産税や都市計画税などの税金、経年劣化に伴う修繕費、リフォーム代などの支出を見込まなければなりません。

一度に大きな額の出費になる可能性もあるため、場合によっては長期的な積み立てが必要です。

また家の近隣に商業施設や病院がない場合、年をとってから住環境に不便さを感じるようになることもあります。このような場合に、賃貸のような気軽な引っ越しができない点もデメリットです。

病気やケガで収入が減ったり、失業で収入が途絶えたりしても、住宅ローンが残っていれば支払いを免れない点もデメリットといえます。

介護保険施設のメリット・デメリット

「介護保険施設」とは、介護保険サービスを利用できる居住型の施設を指します。

主に地方公共団体や医療法人、社会福祉法人が運営しており、介護老人福祉施設(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院などの種類があります。

介護保険施設のメリットは入居時の費用がなく、月額利用費も抑えられることです

居室のタイプや設備などで金額は異なるものの、特養で月額約8万円〜13万円、老健で月額約7万円〜13万円、介護医療院は月額約10万円〜15万円です。

一方のデメリットとして、住んでいる地域によっては待機者が多いため、入所までに時間がかかります

主な入所条件として「要介護認定(要介護1〜3以上)」と「原則65歳以上」が定められており、入所対象外になるケースもあるので注意が必要です。

介護保険施設以外の高齢者向け施設のメリット・デメリット

介護保険施設以外の施設は、主に地方公共団体、社会福祉法人、都道府県知事の許可を受けた民間法人などが運営しており、「養護老人ホーム」「ケアハウス(軽費老人ホーム)」「認知症高齢者グループホーム」「民間の有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」などがあります。

養護老人ホーム、ケアハウスは比較的、月額利用費を安く抑えられるというメリットがあります。養護老人ホームで月額約0〜14万円、ケアハウスは月額約6万円〜17万円(入居時の費用あり)です。

認知症高齢者グループホームの費用は事業者によって大きく異なり、入居時の費用も必要ですが、「認知症でも入居できる」という大きなメリットがあります。

民間の有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅は、要介護状態以外でも入居可能なうえに、老後の安心感を得られる点がメリットです。

食事や掃除などのサービスはもちろん「介護付き」を選べば、将来的に要介護状態になっても介護サービスを受けながら住み続けることが可能です。さらに原則、個室なのでプライベートも守れます。

ここから、それぞれの施設の特徴とデメリットを見ていきましょう。

養護老人ホームは65歳以上が対象で、さまざまな理由で在宅生活が困難な高齢者が社会復帰を目指す施設です。

あくまでも一時的に身を寄せる施設であり、入居時に審査があるため、入りたくても入れないリスクがある点はデメリットといえます。

ケアハウスは家族の援助がなく、自立して生活するのが難しい60歳以上の高齢者を対象にした施設です。待機者が多く、要介護度が上がれば退去を促される可能性がある点はデメリットだといえます。

認知症高齢者グループホームは要支援2、または要介護1以上の65歳以上の認知症高齢者が対象の施設です。

看護師などの医療従事者が常駐していないため、医療ケア対応に限界があったり、少人数で暮らす施設なので、他の入居者との相性が合わない可能性があるなどのデメリットも考えられます。

民間の有料老人ホームは、前述したように要介護状態でなくても入居できる施設です。

ただし費用負担の重さは、デメリットといえます。入居一時金の費用だけでも数百万円、月額費用も15万円を超える場合がほとんどです。

サービスや設備が充実しているほど高くなります。身元保証人が必要な点にも、注意が必要です。

サービス付き高齢者向け住宅は、60歳以上の高齢者を対象にした賃貸住宅です。バリアフリー化と見守りサービスなどに対応しています。

デメリットは有料老人ホームと共通しており、入居一時金の費用は家賃の0~3カ月分、月額費用は15万円以上~です。自立・支援タイプと介護・認知症タイプによって、費用は異なります。

おひとりさまの老後の住まい。住み替えすべき?自分に合った住まいの選び方

おひとりさまの老後の住まいを選ぶ際は、「住み替えのタイミング」と「選び方」の2つのポイントを重視しましょう。それぞれ解説していきます。

まず住み替えをすべきか

老後の住み替えを考え始める時期は50〜60代が多いといわれています。主な理由として、70代以降になると引っ越しの体力が減退したり、新しい住環境に慣れるのに時間がかかったりするからです。

まだ体力があり、環境の変化にも耐えられる50〜60代のうちに住み替えを検討しましょう。

住み替えの適切なタイミングとしては、「定年退職」「持ち家の老朽化」「バリアフリー化の必要性」が挙げられます。

ただ、あまりにも早いタイミングで住み替えると、資金面で不安を感じたり新居に対して不便さを感じたりするので注意が必要です。

老後の住まいの選び方

老後の住み替え先の候補には「戸建てや分譲マンション」「賃貸住宅」「高齢者向け住宅」があります。

おひとりさまの老後の住まい選びで大切なのは、予算と資金計画、アクセスのよさ、周辺施設と環境の3点です。

予算と資金計画は、住まいを確保するために必要になります。戸建て・分譲マンションなのか、もしくは賃貸なのかによっても異なりますが、予算を算出したうえで、資金計画を立てましょう

アクセスのよさは、駅やバス停が近くにあり、移動しやすいかどうかです。

また、周辺施設としてスーパーやコンビニ、ドラッグストア、病院、薬局などが近くにあれば便利ですし、環境的に坂道や階段が少ないほうが身体的な負担を軽減できます

条件に合ったすまいが見つかるまで時間がかかるのが通常なので、早い段階から探しはじめるとよいでしょう。

おひとりさまが老後に安心して暮らせるために40代、50代からできること

おひとりさまの老後のリスクに「資金」「住まい」「身元保証」があります。40代、50代のうちから考えることが大切です。それぞれ解説していきます。

生活費を含め、老後の資金計画をしっかり立てておく

おひとりさまの老後の場合、最低でも240万円ほどの備えが必要になります。

総務省統計局「2021年度 家計調査 家計収支編」によると、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯) の実収入の平均は13万5,345円、可処分所得の平均は12万3,074円、消費支出は13万2,476円となり、毎月9,402円(年間約12万円)の赤字が発生することになります。

出典:総務省統計局「2021年度 家計調査 家計収支編」

仮に65歳からの老齢年金で実収入の平均額13万5,345円を得られたとしても、「厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況」によると、日本人の平均寿命は約85歳(男性81.47+女性87.57歳)なので、年間約12万円の赤字×20年(85歳-65歳)=約240万円の貯金が必要といえます。

もし受給できる老齢年金が実収入の平均額13万5,345円以下だと、もっと多くの貯金を準備しなければなりません

出典:厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況

余裕ある老後を過ごすには、40〜50代のうちから計画的に資金を貯めることが大切です。政府もiDeCoやNISAなどの税制優遇制度の利用を推奨しています。

それでも老後の生活費が足りない場合は、先述したリバースモーゲージの利用も検討しましょう。

老後の住まいについて検討しておく

おひとりさまの老後資金は「最低でも240万円」と説明しましたが、老後の住まいによっても異なります。高額な高齢者施設に入居する場合、より多くの老後資金を見込まなければなりません

例えば月額19万円の老人ホームに入居した場合、年金受給額を月額14万円と見込んでもマイナス5万円なので、年間60万円(12カ月×5万円)の補てんが必要です。

仮に70歳から85歳まで入居した場合、15年分の老後資金としてプラス900万円の備えが必要になります。

このように老後の住まいの希望を早めに固めて、必要な資金を逆算しておく必要があります。なるべき現役の内から現実的な計画を持っておくことが大切です。

身元保証を引き受けてくれる会社や団体を見つけておく

賃貸や高齢者施設に入居する場合は「身元保証人」が必要です。身元保証人とは、賃貸契約や病院・介護施設の入居時などに本人の身元を保証する人をいいます。

老人ホームの身元保証人は本人が施設利用費を支払えなくなった際に代わりに支払ったり、緊急時に連絡を受けたり、入居先でのトラブル相談の連絡を受けたり、治療の方針を決めたりといった大切な役割を担います。

ゆえに身元保証人の責任は重く、精神的な負担も大きいため、 知り合いには頼みづらいものです。

身内がいない高齢のおひとりさまの場合、「身元保証人を誰にもお願いできない」といった問題が発生しやすいでしょう。

身元保証人が見つからなければ、介護施設に入所できないケースも多くなります。そういった場合は、身元保証代行サービスの利用を検討してみましょう。

身元保証サービスとは、身元保証人の役割を引き受けてもらえる団体のことで、営利を目的としない一般社団法人やNPO法人、民間の会社が運営しています。

身元保証人の代行サービス以外にも、生活事務サポート、財産管理、葬儀・納骨に対応していることがあるので、おひとりさまの老後にとって心強い存在といえます。

ただし法人や団体によってサービス内容や費用が異なるので、事前にしっかり検討し、信頼性の高い代行サービスを見つけることが重要です。

高齢者施設への身元保証の代行サービスをお探しなら、一般社団法人全国シルバーライフ保証協会を検討してみよう

おひとりさまの老後の資金計画は、住まいによって変わります。賃貸、持ち家、老人ホームなどの高齢者施設、それぞれにメリット・デメリットがあるものの、「安心」を優先する場合は高齢者施設を検討しましょう。

また高齢のおひとりさまは、「身元保証人がいない」という問題が発生しやすいものです。そのようなときは、身元保証代行サービスの利用を検討してみましょう。

一般社団法人全国シルバーライフ保証協会は、高齢者施設の入居や入院時の身元保証をはじめ、財産管理・任意後見のサポート、葬儀・納骨などのエンディングサポートに対応しています(賃貸の保証人サービスは提供していません)。まずはお気軽にご相談ください。

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この記事の担当者

大倉 弘行シルバーライフカウンセラー│東京シルバーライフ協会代表理事│BF・H株式会社常務取締役

大倉 弘行シルバーライフカウンセラー│東京シルバーライフ協会代表理事│BF・H株式会社常務取締役

2009年ベストファームグループ入社。2013年から高齢者の身元保証、任意後見、死後事務委任等のサービス「オーカスタイル」の立ち上げに従事。2019年 東京シルバーライフ協会代表理事として、同グループの高齢者支援事業の責任者を務める。

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