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身元保証会社とのトラブルを回避するには?事例や対処法、信頼できる身元保証会社サービス選びを解説

身元保証

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身元保証会社とのトラブルを回避するには、身元保証会社選びに失敗しないことが重要です。では、どうやったら信頼できる身元保証会社を探すことができるのでしょうか?

契約内容や費用の説明が丁寧であるか、預託金の管理方法は適切であるかなどをチェックすることで、信頼性の高い身元保証会社を選ぶことができます。

もしトラブルになった場合は、地域包括支援センターや消費者ホットライン、弁護士などの専門家に相談すると良いでしょう。

この記事では、身元保証会社との間で生じるトラブルの事例や、トラブルへの対処法、信頼できる身元保証会社の選び方について解説します。

身元保証会社は身元保証人の役割を代行する会社

一般的に、高齢者が介護施設へ入居したり、病院へ入院したりする場合、施設側から身元保証人を求められます。身元保証人とは、施設に対する各種費用の支払いや、退所・退院時の本人の身柄の引取りなどを保証する人のことです。

多くの場合は親族が身元保証人となります。しかし、高齢者のなかには親族がいなかったり疎遠になっていたりして、親族に身元保証人を頼めない人もたくさんいらっしゃいます。

そこで頼りになるのが、身元保証をサービスとして提供する身元保証会社です。身元保証会社は、親族や友人などに身元保証人を頼めない人のために有料で身元保証サービスを提供します。

また、多くの身元保証会社は身元保証だけでなく、日常生活支援、死後事務委任契約などを顧客のニーズに合わせてサービスとして提供しています。

身元保証会社が高齢者に必要とされる理由

総務省が発表した「高齢者の身元保証に関する調査(行政相談契機)」によると、調査対象の病院や施設の9割以上が身元保証人を求めることが明らかになっています。

病院や施設にとっては、費用の未払いや患者・入居(入所)者死亡後の遺体引取人不在などの各種リスクに対する防御策であるため、仕方のないことかもしれません。

しかし、頼れる親族などがおらず、身元保証人を用意できないおひとりさま独り暮らしの高齢者もいます。そういった方が病院や施設を利用する際の心強い味方が身元保証会社です。

内閣府が発表した「令和5年版高齢社会白書(全体版)」によると、今後も独り暮らしの高齢者は増加すると予想されています。それに伴い、身元保証会社の需要も高まっていくと考えられるでしょう。

出典:総務省|高齢者の身元保証に関する調査(行政相談契機)p3
出典:内閣府|令和5年版高齢社会白書(全体版)(PDF版)

身元保証会社のトラブルに関する相談は100件以上で推移

高齢化が進み、身元保証会社の需要はますます高まっています。同時に身元保証会社に関する消費者トラブルの相談も届いているようです。

総務省の調査によると、2018年~2021年までに消費生活センターに寄せられた相談件数は、年間100件以上で推移しています。具体的な相談内容は、身元保証サービスの費用・契約内容・業者の対応などに関することです。

具体的なトラブル事例については、次章で解説します。

出典:総務省|身元保証等高齢者サポート事業における消費者保護の推進に関する調査の結果(概要)2p

身元保証会社の利用で実際に起こったトラブル事例を紹介

ここからは、身元保証会社の利用に際して実際に起こったトラブル事例を解説します。

事例1|詳しい内容を把握せずに契約してしまった

契約内容を把握しないまま身元保証サービスを利用してしまったことからトラブルに発展した事例です。

独り暮らしをしている80代の男性が、今後の入院などに不安を感じて福祉サービスの窓口に相談したところ、身元保証会社を紹介され契約をしました。

入会金などの初期費用が40万円、月会費が3,000円という契約であるにもかかわらず、肝心の契約内容が不明瞭であったことから、男性は不信感を抱いてしまいました。

身元保証サービスの内容は一律に決められているわけではありません。契約内容や料金に関する思い込みはトラブルのもとになるため、必ず契約書の隅々まで目を通し、不明な点があればすぐに確認するようにしましょう。

事例2|追加サービスを契約すると思いのほか高額になってしまった

身元保証会社の担当者に言われるがままサービスを追加していった結果、料金が想定以上の高額になってしまったというトラブル事例もあります。

他県の介護施設に入所する義母を持つ50代の女性は、担当のケアマネジャーから「1時間の付き添いサポートを数千円が受けられる」という話を聞き、事業者に問い合わせました。

サービス内容や料金を聞いて申し込みをしましたが、手続きが済んだ後に「追加費用を支払い、身元保証サービスを付けないと24時間サポートができない」と言われ、困惑したようです。

独立行政法人国民生活センターの調査によると、身元保証サービス契約時の平均金額は147万円と、決して安くはありません。

身元保証サービスにかかる費用が高額になりやすいのは、日常生活支援サービスや死後事務委任契約などのサービスを追加し、その費用が加算されるからです。

身元保証サービスを契約するなら、必要なサービスだけに絞って契約したい旨を事業者に伝えておくことをおすすめします。

出典:独立行政法人 国民生活センター|身元保証などの高齢者サポートサービスをめぐる契約トラブルにご注意(契約購入金額等)6p

事例3|契約するつもりのないサービスが含まれていた

契約したつもりのないサービスが含まれており、高額な費用を支払った事例です。老人ホームへの入居に身元保証を求められた80代の女性は、事業者に身元保証サービスを勧められました。

後日、事業者から長時間の説明を受けたものの、契約内容を理解できないまま契約し、100万円を支払ってしまいました。

その後契約内容を調べたところ、生活支援サービスなど契約したつもりのないサービスが含まれていたことが判明したようです。

身元保証サービス内容は多岐に渡るため、人によっては理解が難しいケースもあります。事業者や老人ホームの職員が丁寧に説明してくれたとしても、理解できていない状態での契約は避けましょう。

もし、自分で理解することが難しい場合は、知り合いや友人に付き添ってもらい、話を聞いてもらうことが望ましいです。

身元保証会社とトラブルになったときの対処法

身元保証会社とトラブルになったときは、地域包括支援センターや消費者ホットライン188番に相談しましょう。地域包括支援センターとは、高齢者の生活における困りごとをサポートするための公的な相談窓口です。

地域包括支援センターでは身元保証サービスに関する相談も受け付けているので、トラブルになった場合はいち早く相談しましょう。

消費者ホットライン188番とは、消費生活に関する相談や苦情を受け付けている無料の公的なホットラインです。身元保証会社とのトラブルも相談できます。

トラブル解決への助言や事業者との交渉、専門家の紹介などのサポートを受けられます。

そのほかには、身元保証会社とのトラブルについては弁護士などの専門家へ直接相談するのも有効な対処法です。

信頼できる身元保証会社の選び方とは?確認すべきポイントを紹介

身元保証サービスは、比較的新しい形態のサービスです。規制・監督する法令や制度の整備はまだ十分ではありません。身元保証サービスでトラブルにまきこまれないためには、身元保証会社選びが重要です。

ここからは、信頼できる身元保証会社を選ぶときのチェックポイントについて解説します。

契約締結まで丁寧に進めてくれるか

利用者が契約内容を理解できるようにと、何度でも丁寧な説明をしてくれる身元保証会社は信頼度が高いと言えます。一度きりの説明で契約をせず、自分が納得するまで何度も質問してください。

身元保証会社が丁寧に対応してくれるか見極めましょう。

また、契約締結時に、施設関係者やケアマネジャー、弁護士などの第三者の立会を求める事業者も信頼できます。役割の異なる第三者が同時に立ち会うことで、関係者間での円滑な情報共有や役割分担の明確化につながります。

契約前に重要事項説明書を用いた重要事項説明が行われるかどうかも、信頼度を図るためのチェックポイントの一つです。重要事項説明書とは、契約締結の意思決定を左右する重要な内容が記載された書面のことを言います。

たとえば、賃貸物件の契約時や老人ホームへの入居時には重要事項説明書を用いた重要事項説明が行われるのが一般的です。

費用の内訳を明確に提示しているか

信頼できる身元保証会社は、費用の内訳を明確に提示してくれます。身元保証サービスの一般的な費用項目は以下のとおりです。

  • 基本契約料
  • 公正証書費用
  • 身元保証料
  • 預託金 など

 

一つ一つの費用項目に対してサービスの内容がはっきりと明示されるかチェックしましょう。費用に対するサービス内容を詳細に確認していないと契約後に期待していたサービスを受けられなかったり、要らないサービスが付いていたりしてトラブルの原因になります。

預託金の管理を適切に考えているか

多くの身元保証会社は利用者から「預託金」を受領します。預託金は身元保証会社が事前に生活サポートなどのサービス利用料を預かる場合や死後事務委任契約を締結している場合は葬儀費用などを支払うために必要です。

残念なことに、身元保証会社のなかには預託金の管理が適切とは言い難い会社もあります。過去には預託金を分別管理せず、事業の運転資金などに流用した身元保証会社が問題となりました。

預託金の管理方法についても契約前にしっかりと確認しておきましょう。確認すべきポイントは次の通りです。

  • 預託金が会社の運転資金口座とは別の口座で管理されているか。顧客から預かった預託金は会社で管理せずに信託銀行や信託会社に預けるといった、安全に保管できる仕組みがあるかどうか
  • 会社の口座で管理している場合には、利用者ごとの入出金を詳細に記録・保存しているか
  • どのような管理方法とするかにかかわらず、管理状況を定期的に利用者へ報告する運用がなされているか

 

契約書に預託金の管理方法などが漏れなく記載されているかどうかも確認してください。

契約書に必要な規定が含まれているか

契約書の内容を確認する際には、財産管理や解約時の返金に関する条項に着目してください。

高齢になると認知症などで判断能力が低下するケースもあり、財産を適切に管理するのが難しくなります。

身元保証会社の中には身元保証契約と並行して財産管理委任契約・任意後見契約を結び、財産管理を任せることができる会社もあります。契約内容にその旨が記載されているか確認しましょう。

また返戻金に関する契約内容もしっかりと確認してください。解約時の返金に関する内容があいまいな場合、適切な返金がなされないリスクがあります。

支払費用のうち解約時に戻ってくる金額に関する条項や、預託金の返金に関する条項などが記載されているか、契約時に漏れなく確認しておきましょう。

「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を遵守しているか

身寄りのない高齢者の増加とともに、「入院・入所時の身元保証サービス」や「死後手続きの代行サービス」を提供する事業者が増加しています。

これを受け、政府は事業者の適正な運営を促し、消費者トラブルを未然に防ぐことを目的として「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を制定しました。

このガイドラインに基づいて運営されているか確認してみましょう。

高齢者等終身サポート事業者 ガイドライン(主なポイント)
高齢者等終身サポート事業者 ガイドライン

信頼できる身元保証会社を見つけよう

身元保証サービスは施設入居後の生活に密接に関わり、契約した後の身元保証会社の変更は大変なので慎重に選びましょう。この記事では身元保証会社とのトラブルを回避するための、身元保証会社の選び方を紹介しました。

身元保証サービス業界はまだまだ発展途上であり、サービスにも改善の余地があります。全国シルバーライフ保証協会でもトラブルに至らぬように企業努力を続けてまいります。

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この記事の担当者

大倉 弘行シルバーライフカウンセラー│東京シルバーライフ協会代表理事│BF・H株式会社常務取締役

大倉 弘行シルバーライフカウンセラー│東京シルバーライフ協会代表理事│BF・H株式会社常務取締役

2009年ベストファームグループ入社。2013年から高齢者の身元保証、任意後見、死後事務委任等のサービス「オーカスタイル」の立ち上げに従事。2019年 東京シルバーライフ協会代表理事として、同グループの高齢者支援事業の責任者を務める。

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