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サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは?入居要件や費用相場、サービス内容を解説

介護・ケア

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「サ高住」とはサービス付き高齢者向け賃貸住宅の略で、生活を支えるためのサービスが提供される高齢者向け賃貸住宅です。

厳密には「高齢者向けの賃貸住宅又有料老人ホーム、高齢者を入居させ、状況把握サービス、生活相談サービス等の福祉サービスを提供する住宅」と定義されています(高齢者住まい法第5条より)。

サ高住として認められるためには、バリアフリーなどの構造上の条件などを満たしていなければならず、基本的にはバリアフリーとなります。

サ高住に入居したいと考えているなら、まずは、入居要件・具体的なサービス内容・費用・その他高齢者施設との違いを理解してから施設選びを進めることが重要です。

この記事では、サ高住の解説に加え、比較対象とされやすい介護付き有料老人ホーム・ケアハウスとの違いも説明します。

サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは?特徴や入居要件をわかりやすく解説

まずは、サ高住の特徴や入居条件についてわかりやすく解説します。

サ高住の特徴とは

サ高住は民間の事業者によって運営されている、高齢者向けの賃貸住宅です。

事業者が「サービス付き高齢者向け住宅」の名称を使用するには「高齢者住まい法」に基づき、登録を行わなければならず、登録にあたっては以下のような要件を満たす必要があります。

  • バリアフリー構造であること
  •  「状況把握(安否確認)」と「生活相談」のサービスを必ず提供すること
  • 高齢者の居住の安定が図られた契約内容(例えば長期入院などを理由に事業者から一方的に解約できない)であること

要件ではありませんが、食事の提供や生活支援(掃除や洗濯など)といったサービスを提供するところもあります。このようにサ高住は高齢者が生活しやすいよう配慮された住居となっています。

また、サ高住には「一般型」「介護型」という2種類があり、入居要件が少し異なります。まずはサ高住の種類から解説します。

サ高住の種類(一般型・介護型)

一般型と介護型で以下のような違いがあります。

一般型 介護型
・自由に外出をしたり、住宅内で開催されるイベントに参加したりできる

・自立して生活ができる方の入居を想定しており、要介護者が高いと入居できないことがほとんどである

・介護サービスを利用したい場合は外部のサービスを利用する

・「特定施設入居者生活介護」の指定を受けたサ高住を指す

・要介護度が高くても入居できる

・食事や入浴の介助のほか、介護・看護サービスなどのサービスを受けられる。

サ高住の大半は一般型です。介護型のサ高住は珍しく、サ高住全体の約7%しかありません。

国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅に関する現状」p.7

また先述の通り、サ高住の種類によって入居条件が若干変わります。

介護型のサ高住に入居することで、常駐するスタッフから介護サービスを受けることができます。

サ高住の入居要件(年齢・要介護度など)

サ高住には下記のような入居要件が定められています。

  • 年齢が60歳以上の人
  • 年齢が40歳以上60歳未満で、特定疾病(がんやリウマチなど)により要介護認定を受けた人

一般型のサ高住は、あくまでも自立して生活できる方の入居を想定しています。それゆえ、年齢要件に加えて一定の収入や資産に基づく入居要件を設けている施設は少なくありません。

要介護が高く、自立して生活できないと判断されると入居できない可能性が高いです。一方で、介護型のサ高住であれば、要介護度が高い方でも入居できます。認知症が進み、要介護度が高い場合は介護型のサ高住の利用を検討しましょう。

また、一般的に、サ高住への入居の際には身元保証人を求められます。親族など身近な存在に身元保証人を頼めない場合は、民間企業が提供する身元保証サービスの利用を検討すると良いでしょう。

サ高住で受けられるサービス内容とは?

ここからは、一般型のサ高住で受けられるサービス内容について紹介します。一般型のサ高住ならどこでも受けられるサービスと、必要に応じて選択的に受けられるサービスがあるので、サ高住を探す際の参考にしてください。

必ず受けられる2つのサービス

すべてのサ高住に、生活相談サービスと安否確認サービスの提供が法律で義務付けられています。以下でそれぞれのサービスの内容をみていきましょう。

生活相談サービス

生活相談サービスとは、文字通り、日常生活上で困ったことについて相談できるサービスであり、どのサ高住でも利用できます。例えば以下のような相談もできます。

  • 外に出かけたいが、どの交通手段で行けばいいか分からない
  • スマートフォンの使い方が分からない
  • 隣の部屋の音がうるさくて眠れない

また、健康上の不安について相談すれば、適切な医療・介護サービスを案内・紹介してもらうことも可能です。

安否確認サービス

安否確認サービスとは、サ高住のスタッフによる定期的な安否確認です。緊急時は病院に連絡するので、独り暮らしの不安を軽減したい高齢者の方にはうってつけです。

安否確認サービスの具体的な内容を下記に例示します。

  • 居室訪問
  • 電話連絡
  • 緊急時通報ツールの手配
  • ゴミ出し・新聞などによる間接的な確認
  • 喫食による確認

個別契約やオプションで選択できるサービス

個別契約やオプションにより、必要に応じて受けられるサービスを紹介します。すべてのサ高住で提供しているサービスではないので、事前に確認する必要があります。

生活支援サービス

生活支援サービスとは、日常生活を支援してもらえるサービスのことで、オプションとして設けているサ高住があります。たとえば、掃除や洗濯、買い物への付き添いや代行、退院時の送迎など、必要に応じて支援してもらえます。

生活支援サービスをオプションで選択できれば、日常生活の負担を減らし、落ち着いたシニアライフを送ることができます。

介護サービス

一般型のサ高住は、介護サービスを提供しません。そのため、介護サービスを受けたい場合は外部のサービス(デイサービス・訪問介護など)を個別に契約する必要があります。

一方で介護型のサ高住には介護福祉士などが常駐しているため、入居時から介護サービスを受けることができます。

医療・リハビリサービス

入居者が医療ケアを必要とする場合、外部の医療機関を利用することになります。リハビリについては、訪問型・通所型などの外部サービスを利用することになります。

緊急時対応サービス

緊急時対応サービスとは、例えば転倒や病状の急変などの非常事態に利用できるサービスです。非常時にボタン一つでコールセンターに助けを呼べる、独り暮らしの人の安心を叶えるサービスが代表例です。

大手警備会社やインフラ系の大企業などがサービスを提供しています。

食事提供サービス

サ高住によっては、オプションで入居者に食事の提供をするところもあります。提供の方法は施設によってさまざまで、施設内で調理するサ高住もあれば、調理・調達を外部業者に委託しているサ高住もあります。

食事の提供方法や献立の内容なども、入居を検討する際の一つの判断材料にすると良いでしょう。

咀嚼(そしゃく)力・嚥下(えんげ)力に不安がある人は、刻み食など飲み込みやすい食事の提供も行っているサ高住を探してみることをおすすめします。

レクリエーションサービス

サ高住の中には、レクリエーションサービスを提供している施設も少なくありません。入居者が社会的な孤独感を抱かず、精神的にも健やかに暮らしていけるように、入居者同士が交流を持てるさまざまなイベントが開催されます。

孤独が健康に及ぼす悪影響は計り知れません。生活上で人とコミュニケーションを取りたい人には、レクリエーションサービスを提供しているサ高住がおすすめです。

看取りサービス

住み慣れた場所で最後のときを迎えたいというニーズは高まっています。サ高住の中には少なからずオプションで看取りサービスを利用できるところもありますので、看取りを希望する場合は、看取りをしてくれるサ高住を探してみましょう。

 【一覧表】サ高住の家賃とは?介護型有料老人ホーム・ケアハウスの費用相場と比較

サ高住の家賃について、介護型有料老人ホーム・ケアハウスの費用相場と比較しながら紹介します。まずは、下記の表をご覧ください。

種類 入居金相場 月額相場
サ高住 無料の施設が多い(事業者により異なる) 数十万円程度
介護型有料老人ホーム 事業者により異なる 数十万円以上
ケアハウス 数十~数百万円 6万~17万円程度

サ高住・介護型有料老人ホームは民間施設であるため、公的施設であるケアハウスと比べて家賃が高くなる傾向にあります。サ高住と介護型有料老人ホームの月額相場は近しいですが、総合的にみるとサ高住の方が高い傾向にあります。

なお、ケアハウスは安価なだけに人気があるため、入居者待ちが常態化している施設も少なくありません。入居金は施設によって異なるため、直接施設に確認すると良いでしょう。

サ高住・介護型有料老人ホーム・ケアハウスの違いとは?

先ほどは料金について比較しましたが、ここからはサ高住と介護型有料老人ホーム・ケアハウスとの入居要件やサービスの違いやメリット・デメリットについて解説します。まずは、それぞれの情報をまとめた比較表をご覧ください。

サ高住 介護型有料老人ホーム ケアハウス
定義 高齢者が生活しやすいバリアフリー構造の賃貸住宅。安否確認や生活相談などのサービスが提供される 特定施設入居者生活介護の指定を受けた民間の介護施設 ・一般型ケアハウス

自立した生活に不安があり、家族の助けを得られない人のために生活支援を行う施設

・介護型ケアハウス

要介護者に生活支援・介護サービスを提供する施設

入居条件 【一般型】

60歳以上の人

または

40歳以上60歳未満で要支援・要介護認定を受けている人

※要介護度が高いと入居できない

【介護型】

60歳以上の人

または

40歳以上60歳未満で要支援・要介護認定を受けている人

※要介護5まで入居可能

【混合型】

自立・要支援・要介護を問わない(65歳以上)

【介護型】

要介護認定を受けた人(65歳以上)

【一般型ケアハウス】

60歳以上で、生活面で家族などの援助が見込めない人

【介護型ケアハウス】

65歳以上かつ要介護度が1以上の人

居室面積 各専有部分の床面積が原則25㎡以上 13㎡以上 原則単身で21.6㎡、夫婦で31.9㎡以上
設置主体 民間企業 民間企業 主に地方自治体や社会福祉法人
サービス 【一般型】

生活相談サービス

安否確認サービス

生活支援

緊急対応

食事提供

レクリエーション

看取り など

(介護サービスや医療・リハビリサービスは外部の事業者に依頼)

【介護型】

上記に加え、介護サービスやリハビリなど

介護サービス

医療サービス

看取り

生活支援

健康管理や医療行為

緊急対応

食事提供

リハビリ

レクリエーション など

【一般型ケアハウス】

日常生活支援サービス

緊急時対応サービス

食事提供など

(介護サービスや医療・リハビリサービスは外部の事業者に依頼)

【介護型ケアハウス】

上記に加え、介護サービスやリハビリなど

契約方式 建物賃貸借方式 利用権方式 利用権方式

 

サ高住と介護型有料老人ホームの違い

サ高住と介護型有料老人ホームの違いについて詳しく解説します。

介護付き有料老人ホームとは、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた有料老人ホームであり、「混合型」と「介護専用型」の2種類があります。

混合型には、自立・要支援・要介護問わずさまざまな人が入居できますが、介護専用型には要介護認定を受けた人しか入居できません。

介護型有料老人ホームでは、常駐の職員により主に下記のようなサービスが提供されます。

  • 生活支援サービス
  • 健康管理サービス
  • 緊急対応サービス
  • 食事提供サービス
  • レクリエーションサービス
  • 介護サービス
  • 医療サービス
  • リハビリサービス

サ高住と介護型有料老人ホームの違いは、介護型有料老人ホームが介護や医療サービスを施設内で提供するのに対し、サ高住(一般型)は外部のサービスを利用するところです。

また、介護型有料老人ホームが利用権方式なのに対し、サ高住は建物賃貸借契約となります。

サ高住と介護型有料老人ホーム、それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。

種類 メリット デメリット
サ高住 ・賃貸住宅なので居室は自由に利用でき、生活の自由度が高い

・必要に応じて介護サービスなどを利用できる

・外出・外泊に制限がなく、来客も自由に迎えることができる

・月額費用が高め

・レクリエーションの提供が少なく、入居者同士の交流が生まれにくい

・要介護度によっては入居できないことがある(一般型のサ高住)

介護型有料老人ホーム ・人員配置ルールが設けられており充実した介護サービスを受けることができる

・レクリエーションや行事が多く入居者同士の交流しやすい

・基本的には要介護度が高くても入居できる

・介護サービスが手厚い分費用が高い施設もある

・介護サービスの利用がない場合でも介護サービス費用を支払わなければならない

・施設が定めた食事・入浴の時間や外出・外泊のルールを守る必要がある

 

サ高住とケアハウスの違い

サ高住とケアハウスの大きな違いは、サ高住は民間施設でケアハウスは公的施設であるという点です。ケアハウスに入居できるのは、自立した生活を送るのに不安要素がある人や、自立した生活がそもそも難しい人とされています。

ケアハウスには、一般型と介護型があります。一般型では、日常生活の支援サービス(排泄・入浴・食事介助など)や病院への付き添いサービス、レクリエーションサービスが提供されますが、介護サービスは提供されません。

一般型のケアハウスで介護サービスを利用したい場合は、外部のサービス業者と契約する必要があります。介護型のケアハウスは施設自体が介護サービスを提供しているため、外部業者と契約する必要はありません。

ケアハウスには、一般型・介護型にかかわらずスタッフが24時間体制で常駐しています。

また、人員基準も定められており、要支援者10人ごとに介護職員・看護職員が一人配置されているため、入居者はきめ細かなサポートを受けることができます。

以下は、サ高住とケアハウスのメリット・デメリットの比較表です。

種類 メリット デメリット
サ高住 ・施設のバリエーションが豊かでニーズに合う施設を見つけやすい

・施設の数が多く待機期間が発生しにくい

・ケアハウスに比べて居室が比較的広い

・ケアハウスに比べて費用が高額

・夜間のスタッフ配置は義務付けられていない

・民間施設なので入居条件・退去基準に施設ごとの差がある

ケアハウス ・サ高住より費用が安い

・24時間スタッフが常駐している

・レクリエーションが充実している

・希望者が多く入居できない可能性や、長期の待機時間が生じる可能性がある

・サ高住に比べ入居者間の交流が発生しやすく、一人で自由に生活したい方はストレスを感じる恐れがある

・介護型の入居条件が65歳以上と、サ高住よりもやや厳しく設定されている

サ高住とは自立〜要介護の方まで入居でき、多様なニーズに対応する施設

サ高住は、自立・要支援・要介護といった身体的な状態に関わらず入居できる高齢者向けの賃貸住宅です。

施設の運営主体が民間企業であるため月額費用は高めですが、生活相談や安否確認、介護といった多種多様なサービスを受けられることから、特に独り暮らしの高齢者や身寄りのない人からの需要が高まっています。

サ高住に入居する際は、身元保証人を求められることが一般的です。身元保証人を依頼できる人が身近にいない場合は、民間の身元保証サービスの利用を検討しましょう。

全国シルバーライフ保証協会は、司法書士や税理士などの士業法人からなるベストファームグループの一員で、豊富な知識と経験による安心の身元保証サービスを提供しています。興味のある方はいつでも、お気軽にご相談ください。

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この記事の担当者

丹野 和希東京シルバーライフ協会理事

丹野 和希東京シルバーライフ協会理事

2017年ベストファームグループ入社。東京シルバーライフ協会スタッフとして契約面談、契約後のお客様サポートを担当。

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