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墓じまいとは?費用相場や手続きの流れ、トラブルの対策方法を紹介

葬祭

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更新日

墓じまいとは、墓石を撤去して更地にし、墓地の使用権を寺院や霊園などの土地の所有者に返還することをいいます。

墓じまいをスムーズに進めるために、必要な手続きや費用相場を事前に確認し、墓じまい後の供養・改葬方法についても検討しておきましょう。

親族や寺院・霊園に墓じまいの相談をしておくこともトラブル防止のために重要です。

この記事では、墓じまいの手続きの流れや費用相場、供養・改葬の選択肢、トラブルを防止する対策方法などについて解説します。

墓じまいとは?

墓じまいには大きく分けて2種類あります。

1種類目は「改葬」といって、古いお墓の墓じまい後に、自宅から近い墓地などに新しいお墓を立てるというものです。墓地のお引越し、ともいえるでしょう。

2種類目は、改葬をせず、代々家族で受け継ぐお墓(一般墓)を持たないというものです。たとえば、永代供養(合祀墓)や散骨をするケースが挙げられます。

墓じまいの手続きの流れとは?

墓じまいをスムーズに進めるためには、手続きの全体的な流れを理解したうえで準備することが重要です。

一般的な墓じまいの手続きは、下記の流れになります。

  • 親族に相談して同意を得る
  • 改葬に必要な手続きや書類を確認する
  • お墓の管理者に墓じまいの意思を伝える(石材業者の相談もしておく)
  • 新しい納骨先を決める
  • お墓がある自治体で改葬許可証を取得する
  • 閉眼供養とご遺骨の取り出しを行う
  • お墓を更地にして管理者に返還する
  • 改葬先に納骨する

上記の流れに加え、費用相場を把握しておくことも大切です。各ステップにかかる費用は次章で詳しく解説します。

墓じまいの費用相場は?項目別に解説

ここからは、墓じまいにかかる費用の内訳は下記のとおりです。

  • 離檀料
  • 閉眼供養の費用
  • お墓の撤去費用
  • 行政手続きに関する費用
  • 遺骨の新たな納骨先でかかる費用

費用ごとに相場を説明します。

離檀にかかる費用の相場

最初に、離檀にかかる費用の相場について解説します。

離檀料

寺院墓地では「離檀料」が発生します。離檀料とは、お墓を撤去して檀家を離れるにあたって、寺院への感謝の気持ちとして包むお金のことをいいます。

感謝の気持ちですから、基本的に包む金額は人それぞれです。あえて相場に言及するなら無料~20万円程度でしょう。

ただし、寺院から離檀料を請求されるケースもあります。

もし相場よりも高額な離檀料を請求された場合は、自治体や寺院の総本山、納骨先などに離檀料について相談してみると良いでしょう。

なお、民間霊園での墓じまいにおいては、そもそも利用者は檀家になる必要がないため、離檀料は基本的に不要です。

閉眼供養に対するお布施

閉眼供養は、別名「魂抜き」とも呼ばれる供養です。古来より、お墓には魂が宿るものだと考えられてきました。

そのため、墓じまいでお墓を撤去する前には閉眼供養を行ってお墓から魂を抜くことが必要だと考えられています。

閉眼供養では、寺院へのお布施として3万~10万円を支払うのが一般的です。寺院や地域によっても異なりますが、迷った場合は法要と同じくらいの金額を包むと良いでしょう

地域や寺院の慣習に則った額を支払いたい場合は、僧侶にそれとなく確認してみることをおすすめします。

お墓の撤去にかかる費用の相場

墓じまいでは、石材業者に墓石の撤去を依頼して土地を更地に戻す必要があります。お墓の撤去にかかる費用の一般的な相場は、1㎡あたり10万~15万円です。

遺骨の取り出しも併せて依頼する場合は、追加で1柱ごとに3万~5万円の費用がかかります(自分で取り出す場合は不要)。

どの石材業者に頼めば良いか分からないときは、寺院や霊園に相談すれば、提携している石材業者を紹介してくれるでしょう。

なお、遺骨の柱数や遺骨が納められている場所の状態を把握できていない場合は、石材業者に内部調査を依頼して見積もりを出してもらうことをおすすめします。

行政手続きにかかる費用の相場

墓じまいは、墓地の所在地を管轄する自治体の役所に「改葬許可証」を発行してもらう必要があります。

改葬許可証は遺骨1柱ごとに1枚必要で、かつ、発行手数料が自治体ごとに異なるため事前に確認しておきましょう。これは永代供養の場合でも同様です。

改葬許可証の発行を求める際に必要になるのが、改葬許可申請書・埋蔵証明書・受入証明書です。費用は、すべて合わせて数百円〜2,000円程度で揃えることができます。

以下は、各書類の入手方法をまとめた表です。

書類名 入手方法
改葬許可証 墓地所在地の自治体の役所から発行される
改葬許可申請書 墓地を管轄する自治体の役所またはホームページで入手する
埋蔵証明書 墓地の管理者から発行される
受入証明書 新しいお墓の所在地の自治体の役所から発行される

遺骨の新たな納骨先でかかる費用の相場

ここでは、新たな納骨先へ改葬する際の初期費用や、開眼供養や納骨式のお布施の費用について解説します。

初期費用

改葬の初期費用は納骨先によって異なります。

納骨先ごとの初期費用相場(遺骨1柱あたり)については下記の表をご参照ください。

納骨先の種類 初期費用相場(遺骨を1柱として)
一般墓所 100万~350万円
永代供養(合祀墓) 10万~30万円
永代供養(集合墓) 20万~60万円
永代供養(個別墓) 40万~150万円
納骨堂 10万~150万円
樹木葬 20万~80万円
手元供養 数万円円~30万円
散骨 2万〜40万円

※ヘリコプターを使った空中散骨の場合、数百万円の費用がかかる可能性が高い

開眼供養や納骨式に対するお布施

開眼供養とは、新たなお墓にご先祖様の魂を入れるための供養をいいます。開眼供養と納骨式はセットで行われることが多く、費用相場は両方あわせて3万~5万円です。

ただし、開眼供養と納骨式を依頼した寺院からお墓までの距離が遠い場合には、御車代として3,000~5,000円程度を包んでおきます。

また、開眼供養後の会食に僧侶が参加しない場合も、御膳代として3,000~5,000円を準備しておくと良いでしょう。

墓じまいの費用が払えないときの対処法

墓じまいにはそれなりに高額の費用がかかるため、なかなか一歩を踏み出せないという方もいます。ここでは、墓じまいにかかる費用についてお悩みの方のために対処法を3つ紹介します。

親族に相談する

墓じまいの費用に悩んだときは、親族に相談してみましょう。

お墓の管理を任された人(祭祀承継者)であっても、墓じまいに関することは親族全員に関わる問題なので、一人で抱え込む必要はありません。

実際に、親族が墓じまいの費用をサポートするケースはめずらしくないので、兄弟や姉妹など親族の中でも話しやすい人に相談し、じっくりと話し合ってみると良いでしょう。

料金が安い業者や改葬方法を選ぶ

墓じまいにかかる費用総額が高額すぎると感じる場合は、お墓の撤去費用を見直しましょう。

お墓の撤去費用は石材業者ごとに異なるので、複数の業者に相見積もりを依頼すれば、料金が最も安い石材業者を選ぶことができます。

また、改葬の納骨先選びも、墓じまいの費用を抑えるためのポイントの一つです。

たとえば、樹木葬による永代供養の費用相場は20万~80万円ですが、手元供養であれば数万円程度で供養できます。

希望する納骨先の費用が予算を圧迫するのであれば、納骨先を再検討してみても良いかもしれません。

補助金制度やサポート制度を活用する

墓じまいに際しては、自治体からの補助金やサポート制度を利用できるケースがあります。

墓じまいのための補助金やサポート制度の目的は、地域墓地の整備・無縁墓地問題の解決・環境負荷の軽減です。

補助金やサポート制度の例としては、墓地使用料の返還や原状回復費用の助成、墓石撤去費用の助成などが挙げられます。

ただし、自治体の定める条件に適合しない墓じまいだと、補助金やサポート制度を利用することはできません。

墓じまいの計画を立てるときは、補助金やサポート制度の有無や利用条件について最初に確認しておくことをおすすめします。

墓じまいした遺骨はどうする?供養・改葬の選択肢を紹介

ここでは、墓じまい後の遺骨に対する選択肢について紹介します。遺骨をどのように供養すべきか、親族間で最初に意見を出し合い、全員が納得できる方法を決めておきましょう。

1|一般墓所

墓じまい後に近くの墓地へとお墓を移したい人には、一般墓所への改葬が第一候補になるでしょう。一般墓地にお墓を移すメリットは、墓じまい前と同様にお墓参りができる点です。

反面、デメリットとしては、そのほかの供養・改葬方法に比べて初期費用が高額(相場は100350万円程度)になりやすい点が挙げられます。

2|永代供養

永代供養とは、寺院に遺骨を納骨して供養してもらう方法です。永代供養には大きく分けて合祀墓・集合墓・個別墓の3種類があります。

合祀墓は、一つの墓石や霊廟(れいびょう)の中に複数の遺骨を一緒に埋葬して祀る永代供養の方法です。

集合墓では、慰霊碑などのシンボルは複数人で共有する一方で、遺骨は個別に祀られます。個別墓は遺骨1柱ごとに一般墓地と同じような墓石が設けられて、個別に永代供養がなされます。

初期費用の相場は3万~150万円程度です。

集合墓と個別墓は年間管理費が発生する場合があります。しかし、一定期間後は合祀墓に移されるのが一般的で、その後は年間管理費が発生しません。

3|納骨堂

納骨堂では、遺骨は専用のスペースに安置されて永代供養がなされます。納骨堂の様式には、仏壇式・ロッカー式・自動搬送式などがあり、施設ごとに個性や特色はさまざまです。

また、一定期間後に合祀される納骨堂もあれば、合祀されない納骨堂もあるため、契約前に確認しておきましょう。

多くの納骨堂は建物内に設けられていてお参りがしやすいことから、近年では人気の改葬方法です。費用は納骨堂ごとに差が大きく、10万~150万円が相場とされています。

4|手元供養

手元供養とは、遺骨の全部または一部を小型の骨壺に入れるなり、アクセサリーなどの装飾品にするなりして、自宅で供養する方法です。

自宅でお参りができ、管理費が不要、初期費用も安く抑えやすいというメリットがあります。

ただし、手元供養における遺骨の扱いによっては、親族から反発を受ける恐れがあります。手元供養を行いたい場合は、必ず事前に親族の了承を得ておきましょう。

5|樹木葬

樹木葬とは、遺骨や骨壺をシンボルツリーの周辺に埋葬する供養方法です。

樹木葬の方法次第では費用を安く抑えることができますが、遺骨を取り出せなくなる・納骨場所を指定できない・樹木の植え替えの必要性が生じるといった問題が発生する恐れがあります。

樹木葬の費用相場は個人用・家族用などの種類により異なりますが、20万~80万円程度と考えておきましょう。

6|散骨

散骨とは、遺骨を粉状にして山や海に撒く供養の方法です。散骨を選んだ場合、散骨以降の管理費用や維持費用が一切かからないので費用を抑えることができます。

ただし、散骨には注意点があり、海に散骨するなら海岸から離れた場所に散骨するなどして、地域住民の迷惑にならない場所を選ばなければなりません。

自治体によっては条例やガイドラインが設けられていることがあるため、事前に確認したうえで節度を持って散骨を行いましょう。

散骨にかかる初期費用は、粉骨費用や船などのチャーター代をあわせて2万~40万円程度です。

6段落 墓じまいのトラブルを防止するための対策方法

墓じまいのトラブルは、主に対親族・対寺院という関係で発生します。

親族間では、事前に墓じまいに対する理解が得られていなかったり、費用負担に関する話合いがうまくいかなかったりすると、トラブルにつながりやすいです。

親族間のトラブルを回避するためにも、墓じまいに着手する前にじっくり話し合って親族の理解を得ておきましょう。

寺院とのトラブルは、急な離檀に起因するものが多数を占めます。お布施は寺院の運営に欠かせない収入であるため、離檀は寺院にとって避けたい事態です。

離檀料をめぐっては、高額請求などのトラブル事例も見受けられるので、適正な金額以上を請求されたと感じた場合はしかるべき場所に相談することをおすすめします。

また、無用なトラブルを避けるためにも、慣習に照らして十分な離檀料を包むようにしましょう。

7段落 墓じまいで後悔しないために事前準備をしっかり行おう

墓じまいを進めるうえでは、手続きに対する理解と親族からの同意や協力が重要です。

寺院や行政機関などの第三者と相談しながら進めていくべき手続きも多々あるため、あらかじめ、各手続きの必要書類・金額・所要時間などをまとめておいて、スケジュール調整をしながら着実に進めていきましょう。

墓じまい後に改葬するのか、それ以外の方法を選ぶのかについては人それぞれで意見が分かれます。

判断に迷った場合は、親族の希望や意見をあらためて確認して、家族・親族それぞれが納得できる選択肢を模索してみると良いでしょう。

 

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この記事の担当者

丹野 和希東京シルバーライフ協会理事

丹野 和希東京シルバーライフ協会理事

2017年ベストファームグループ入社。東京シルバーライフ協会スタッフとして契約面談、契約後のお客様サポートを担当。

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