一般的に、葬儀の際には「遺影」を準備します。参列者に故人を偲んでいただくためにも、葬儀にふさわしい遺影を準備することは、非常に大切です。
そこでこの記事では、遺影の基本や遺影を飾る意味、遺影の選び方、葬儀後の遺影の飾り方などについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
遺影写真って何?気になる意味とは
遺影とは、葬儀の際に祭壇に飾られる故人の写真です。写真のほか、故人の肖像画が遺影に選ばれることもあります。
遺影には亡くなる5年前から1年前までの、故人が元気だった頃の写真を使うのが一般的です。また、葬儀の参列者が生前の故人との思い出を振り返りやすくするためにも、故人の人柄が伝わる写真を、遺影として選ぶのが良いでしょう。
葬儀が終わった後の遺影は、お焚き上げされたり、仏壇の近くに飾られたりします。遺影を飾る場所に厳密な決まりはありませんが、仏壇の上や真正面を避けた場所を選ぶのが一般的です。
仏壇の近くや部屋に飾る用の遺影写真は、祭壇用とは別に用意することもできます。
遺影にふさわしい写真の選び方とは?
遺影は基本的には葬儀社やフォトスタジオなど業者に遺影の作成を依頼します。遺影が必要になる通夜までに仕上がるよう、手元にある写真の中から選ばなければなりません。
フォトアルバム等にある現像済みの写真か、スマホやパソコンに保存してある画像データの中から選び、業者に渡して仕上げてもらいます。
ここからは、遺影用の写真を準備する際の選び方についてわかりやすく解説します。
サイズには「祭壇用」と「焼香台用」の2種類がある
遺影のサイズは用途によって異なります。葬儀の際に利用する祭壇用の遺影であれば、遠くの席に座る参列者からもよく見えるように大きめのサイズで準備するのが一般的です。
具体的には、A4 サイズ(横210㎜・縦297㎜)か四つ切サイズ(横254㎜・縦305㎜)が祭壇用の遺影写真にふさわしいといえます。
焼香台用の遺影写真なら、葬儀後に自宅で飾る前提で祭壇用よりも小さいサイズを選ぶ人が多いです。2Lサイズ(横127㎜・縦178㎜)か、小キャビネサイズ(横120㎜・縦165㎜)またはL判サイズ(横89㎜・縦127㎜)が主流となっています。
また、写真の画素数やピントにも注意しましょう。画像サイズが極端に小さかったりピンぼけしたりしていると写真を引き伸ばした際に故人の顔がぼやけてしまい、いくら加工で修正しても違和感が残る写真となってしまいます。
遠くから撮影した写真や集合写真など、故人が小さく写っている写真は注意が必要です。写真はピントの合ったもので故人の顔が大きくはっきりと映っているものを選びましょう。
ちなみにデジタルの画像データにはJPEG、BMP、PNGなどの形式があるので、遺影の作成を依頼する業者に対応可能な形式かどうかを事前に確認するのが良いでしょう。
故人の服装や背景に決まりはない。故人のイメージに沿ったものを選ぼう
遺影選びの際、写る故人の服装や、背景が葬儀にふさわしいかどうかを気にしすぎる必要はありません。
遺影用の写真は故人らしさが伝わることが大切です。遺影を眺めたときに故人の生前の姿が思い返せるよう、表情やポーズ、角度から故人をイメージしやすい写真を選びましょう。
葬儀社や写真店の中には、写真の背景や服装を差し替えたり、髪型を修正したりなどして遺影として受け入れられやすい形に整えてくれる業者もあります。
故人と一緒に写っている人物を消す加工も可能な場合があるので、遺影の選択に悩んだ際は業者に相談しましょう。
額縁は黒色に限らず故人のイメージに合ったものを
遺影写真の額縁の仕様についても、とくに決まりはありません。従来は黒の漆塗りがスタンダードでしたが、近年はパステルカラーの額縁や木目調でナチュラルな雰囲気の額縁など、様々な選択肢があります。
故人が希望していた材質や色があるなら、希望通りの額縁を用意するのが良いでしょう。黒の漆塗りの額縁には重厚感と落ち着きがあることから、遺影の額縁にふさわしいと考える人は多いです。
ただ、参列者に冷たい印象を与えてしまう可能性もあるので、従来の様式にこだわりすぎず、葬儀の雰囲気や故人らしさに合わせた仕様の額縁を選ぶのが良いでしょう。
遺影用の写真の撮影時期は亡くなる前、1年から5年以内が一般的
一般的に、逝去した日から計算し、1~5年以内に撮影された写真を遺影に使います。
昔に撮影された写真を使うことが禁止されているわけではありませんが、直近の姿とかけ離れた姿の写真の場合、違和感が生まれかねません。
ただし、闘病の末に亡くなった人に関しては、闘病中の辛い時期に撮影された写真に抵抗がある場合、撮影時期にこだわらず、故人が元気だった頃の写真を選びましょう。
また、故人から「(故人が)若い頃の写真も飾って欲しい」とお願いされていた場合、最近では遺影はプリントした写真ではなくモニターで映していることも多いので、若い頃の写真と近影を、スライドショーのようにしてモニターに映す方法もあります。
【葬儀後】遺影の正しい飾り方
ここからは、葬儀後の遺影の飾り方を解説します。飾る時期や場所、保管すべきかどうか迷っている人はぜひ参考にしてください。
遺影を飾る時期にルールはないが葬儀後は「後飾り祭壇」に
遺影は日本独自の風習であり、宗教的な意味はないとされているため、遺影を飾る時期に決まりはありません。一般的には、四十九日の法要が終わるまでの期間は、自宅の「後飾り祭壇」に遺影を飾ります。後飾り祭壇とは、遺骨を一時的に祀るための祭壇です。
自宅に遺影を飾っておきたい場合は保管してもよい
遺影は、保管して飾らなければならないという決まりはありません。
一般的に後飾り祭壇を設置する四十九日の法要までは遺影を飾りますが、四十九日の法要以降については位牌が本人の魂の依り代となるため、基本的に遺影を保管する必要はありません。
保管するか、処分するかは遺族の考え方次第です。中には、四十九日以降の法要に遺影を持参したり、故人を偲ぶ集まりなどで飾ったりするため、保管する家もあるようです。
なお、家ごとのしきたりや考え方によっては、四十九日の法要後でも遺影が必要になるケースがあります。代々のしきたりや考え方を無視する形にならないよう、遺影の扱いを決める際は身内で話し合いましょう。
遺影を飾る場所は「壁掛けの形」が好ましい
遺影を飾る場合は、仏間や床の間の長押(なげし)にフックなどをつけて右から順に先祖代々のものを壁掛けで飾っていくのが一般的です。
長押に遺影を飾れない場合は、仏壇のそばに遺影用の小さな台や小机を用意します。また仏壇自体がないケースは、額縁を別途で購入して遺影を縮小して飾る方法も一つの手段です。
遺影の飾り方に宗教的な決まりはありませんが、人が見下ろす低い位置に飾るのは避け、故人を偲びやすいようによく見える位置に飾りましょう。また、水回りや直射日光の当たる場所は遺影が傷みやすくなるので、避けるのが安心です。
後飾り祭壇撤去後に遺影を処分する場合
後飾り祭壇の撤去後は、前述の通り遺影写真は保管しておく必要がないので処分しても問題ありません。ただし、故人を偲ぶために作成した遺影を粗末に扱うことがないように注意しましょう。
遺影をお寺や神社で供養してもらう方法もあるので、処分方法に困った場合はお寺や神社に相談することをおすすめします。
全国シルバーライフ保証協会へエンディングサポートのご相談も
遺影を選ぶ際に重要なポイントは、故人の人柄が伝わる写真を選ぶこと。写真を通じて故人との思い出を振り返りやすくするため、故人が元気だった頃に撮影された、故人らしさが溢れる写真を選びましょう。
写真選びに迷った際は、葬儀社やフォトスタジオなどに相談するのも、一つの方法です。
近年は、終活の一環として、遺影用の写真を生前に撮影・準備しておくなど、自分らしい人生の幕引きを考える人が増えています。
遺影に限らず、希望する葬儀の規模や内容などを考えれば、本人だけでなく遺された家族のためにもなることは間違いありません。
しかし、本人や家族の力だけでは、納得のいく終活ができないこともあります。終活に悩んだ際は、終活のプロフェッショナルが集う全国シルバーライフ保証協会にお任せください。
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