遺品整理とは、故人が使用していたものを処分する行為を指します。しかし、遺品整理をしようにも、どのように進めていけばよいのか分からない人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、スムーズに作業を進められるよう、遺品整理の流れやコツを解説します。専門業者に依頼すべきかどうか迷っている人もぜひ参考にしてください。
そもそも遺品整理とは
遺品整理とは、故人が生前に使っていた身の回りのものの整理をいいます。遺品には預貯金や不動産のような貴重品だけではなく、衣服のような日用品や家具なども含まれます。
遺品整理を始めると故人の思い出がよみがえり、ときに深い悲しみを感じるかもしれません。しかし、遺品整理によって気持ちに区切りを付けることで、止まったままの時計の針が動き出すこともあるでしょう。
ただし、他の遺族の了承を得ず、勝手に遺品整理を始めるのはNGです。なぜなら、廃棄した遺品の中に特別想い入れのあるものや金銭的な価値のあるものが含まれていると、他の相続人との間でトラブルになりかねないので気を付けてください。
居住場所別|遺品整理に適した時期(タイミング)はいつ?
遺品整理に最適なタイミングはいつなのでしょうか。ここでは、居住場所別(持ち家、賃貸住宅)に分けて解説していきます。
持ち家に居住
故人が持ち家に居住していた場合、このあとに紹介する賃貸住宅ほど遺品整理を急ぐ必要はありません。一般的には法要や死亡後の手続きが完了し、落ち着いたタイミングで行います。
無理に直後に遺産整理に手を付けると、精神的な負担が重くなる可能性があるので、傷がいえてからでも遅くはないでしょう。
また相続した持ち家を売却する場合、「所得」とみなされ所得税の課税対象となります。この相続した持ち家の所得税軽減につながる「取得費加算の特例」は相続から3年が経過すると利用できません。3年以内に持ち家の遺品整理を済ませ、持ち家を売却する準備を整えましょう。
賃貸住宅に居住
故人が賃貸住宅に1人で居住していた場合は、物件をあけわたす期日までに遺品整理を完了させる必要があります。物件をあけわたさないと家賃が発生するので、可能な限り早く行動をしましょう。
契約期間は大家との話し合いにもよりますが、亡くなったあとの月末か翌月末までが一般的です。他にも、四十九日の法要が終わるまでは賃貸契約を続け、法要が終わったあとに遺品整理をして退去の手続きを行う人もいます。
遺品整理の方法とは
遺品整理の方法には「遺族でやる」と「専門業者に依頼する」があります。
遺族でやる場合のメリットは、専門業者に依頼するよりも費用が安くすみ、思い出を整理する時間を確保できるという点です。一方、時間・手間がかかる点はデメリットといえるでしょう。
専門業者に依頼する場合のメリットには、遺品供養・買取をしてもらえるケースがある、短時間で完了する、などがあります。遺族でやるよりもお金がかかるという点に関してはデメリットです。
遺族で遺品整理する場合の進め方・コツ
遺族で遺品整理する場合の進め方について詳しく解説します。
ステップ①:スケジュールを組む
遺品整理はスケジュール設定から始まります。スケジュールを立てることで、やるべきことが明確になりますし、細分化することで行動しやすくなるでしょう。
スケジュール作成のコツは、終了予定日から逆算することです。最終的にどのような状態になればよいのかを考えることで、その途中のステップも設定しやすくなります。
持ち家の場合はスケジュールが崩れても問題ないかもしれませんが、賃貸物件にはあけわたしの期日があるので、よりスケジュールの重要性は高いでしょう。
ステップ②:遺品を分類する
スケジュールを作成後に故人の遺品を分類しましょう。主に貴重品、形見、リサイクル品、廃棄物の4つに分かれます。
貴重品には通帳、クレジットカード、不動産関係の書類、パスポート、年金手帳、健康保険証、貴金属などがあります。
故人の写真、手紙、貴金属、時計、趣味の品などで形見として残しておきたいものがある場合は、家族の誰に分けるのかなども考え、わかるようにしておきましょう。
貴重品はもちろん形見の中でも貴金属や時計は相続財産に関わることがあるので、税理士のような専門家に相談するほうが安心です。続いてリサイクル品と廃棄物について考えてみましょう。
ステップ③:遺品を整理・処分する
不要な遺品でリサイクルできるものは、不用品買取業者、リサイクルショップ、フリマアプリなどを活用して処分しましょう。主なリサイクル品には金属、古紙、レコード、ブランド物の衣類、製造年が新しい家電などがあります。
リサイクルできないものは処分します。紙や革製品などは燃えるゴミ、せとものや金属類は燃えないゴミ、大型家具や布団などは粗大ゴミに分類したうえで、自治体のルールに沿って捨てましょう。
ゴミの量が多い場合は、ゴミ処理場への持ち込み処分も便利です。自治体にもよりますが、軽トラックなどでゴミを運べば、その場で処分してもらえます。
ステップ④:遺族で遺品整理する際の注意点
遺品整理を行う際は騒音に注意しましょう。深夜や早朝に遺品整理すると近所から苦情がくる恐れがあります。
特に分譲マンションや賃貸住宅の2階以上の部屋では、重いものを片付けたり、大きな足音を立てたりすることで、階下の住人から注意される可能性があります。事前に周囲の住人に対して連絡しておくことが大切です。
また、遺品整理は当初のスケジュールよりも時間がかかる可能性があります。焦らなくてもよい場合は、時間よりも作業を着実に進めることを意識しましょう。
最後に、相続すべき価値のある遺品を誤って処分することにも注意が必要です。遺族全員で遺品整理前に処分すべきものの確認をするなどの対策をとるようにしてください。
遺品整理の専門業者に依頼する場合
遺族で遺品整理する際の進め方について解説しましたが、次に遺品整理の専門業者に依頼するケースについて説明します。
依頼から遺品整理完了までの流れ
専門業者への依頼から遺品整理を終えるまでの流れは次のとおりです。
- 専門業者を選ぶ
- ヒアリングを受け、契約する
- 遺品整理開始
- 簡易清掃・不用品の運び出し
まずはインターネットで信頼できる専門業者を選びましょう。選ぶ際の注意点は後述します。
選んだ専門業者から部屋の間取りや広さ、作業時間などのヒアリングを受けたのち、実際の遺品整理が始まります。簡易清掃・不用品の運び出しに対応している専門業者を選ぶようにしましょう。
遺品整理の料金相場
専門業者の料金相場は、部屋の広さに比例するケースが多くなっています。あくまでも目安ですが、1LDKや2DKで13〜16万円、2LDKや3DKで17〜20万円、3LDKや4DKでは21〜24万円、4LDK以上で25万円以上が相場です。
ただし、遺品の量が多いケースや、ゴミ屋敷と化している場合は、通常よりも料金が高額になりやすいので注意しましょう。
後々のトラブルを防ぐため、事前に見積りを取ることをお勧めします。
他にも、エアコンの取り外しやハウスクリーニング、ピアノの運搬などの作業が発生する場合、別途オプション料金がかかることがあります。事前にオプション内容についても確認しておきましょう。
良い遺品整理業者を選ぶ際の注意点
専門業者の全てが優良とは限らず、中には悪質な業者も混ざっています。優良と悪質を見分けるポイントとして、費用の明瞭性、対応の丁寧さ、遺品整理士の有無などを確認するとよいでしょう。
費用が不明確な場合、見積もりと異なる追加料金を取られるリスクがあります。対応が丁寧でなければ、勝手な判断で遺品を処分される可能性もあるでしょう。
遺品整理に必要な国家資格はありませんが、遺品整備士認定協会という民間団体が認定試験を行っているので、遺品整理士を取得している事業者は一定の信頼性があると判断できます。
悪質な専門業者には窃盗もあるので、立会いや重要な遺品を事前に自分たちで整理するなどの注意も必要です。
遺品整理は遺族でやるべき?専門業者に依頼すべき?
遺族で遺品整理を行うべき場合と、専門業者に依頼すべき場合の判断基準について解説します。
まず、遺族で行うべき場合ですが、業者に依頼するのが不安、気持ちの整理を付けながら作業したい、遺品整理の場所がそこまで広くない、遺品の量があまり多くない、などの判断基準があります。
次に専門業者に依頼すべき場合ですが、費用が高めなので資金に余裕がある、部屋が広い・多い、遺品の量が多い、遺品整理すべき場所が遠い、などの判断基準があるでしょう。
まとめ 遺品整理をあわせて検討すべきサービスとは
遺品整理に適したタイミングは持ち家と賃貸住宅で異なります。持ち家の場合は必ずしも遺品整理を急ぐ必要はありません。しかし賃貸住宅に故人が1人で居住していた場合、契約を解除しなければ家賃が発生するので、急ぐほうがよいでしょう。
遺品整理の方法には「遺族でやる」と「専門業者に依頼する」があります。専門業者に依頼すると費用が発生しますが、遺族でやるよりも、短時間ですむという点はメリットです。ただし悪質な業者も存在するので注意しましょう。
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