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葬儀後から一周忌までの法要・仏事をまとめてみました

葬祭

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更新日

人生で何度も経験することのない葬儀。
「終活」という言葉が取り沙汰され、葬儀の準備を事前に準備する人も増えてきましたが、それでも大切な人との別れは突然にやってきます。
期限が定められている手続きもあり、知らないと損をしてしまう場合や、放置して延滞料がかかってしまうケースもあります。
分かりづらいことだからこそ、基礎をしっかり知っておいて万が一に備えたいものです。
ここでは、お葬式を終えて一周忌まで、「法要や仏事の心得」について解説いたします。

目次

事務引継ぎ

葬儀までは、世話役の方に葬儀事務をお願いしますが、葬儀後は遺族が行います。喪主や遺族は精進落とし終了後から遅くても翌日までに各世話役の方から事務の引継ぎを受けます。不明瞭な点がないようしっかりと報告を受け、確認をした上で引継ぎを行うことが大切です。後々のトラブルを避けるため、特にお金に関することは必ずその場で確認することが大切です。
引き継ぐ内容は、主に次のものになります。

  • 会葬者名簿
  • 香典帳
  • 香典
  • 供物帳
  • 弔電、弔文
  • 領収書
  • 請求書

領収書、請求書は出納帳と照合し、出金額と未払い額の確認をします。引き継いだ書類は大切に保管し、また葬儀社の見積や明細書、請求書なども受け取っておきます。葬儀の間、世話役がお金を立て替えている場合もありますので遺族側から尋ねてみましょう。また、弔問客から遺族に寄せられた伝言や心遣い、葬儀中の様子など、遺族の気付かない点を聞いておくと、後日お礼のご挨拶をする際に失礼がありません。

支払い

寺院へのお布施

僧侶へのお布施は、本来は葬儀終了後、日を改めて複数の方でご訪問し、お渡しするのが礼儀とされています
が、最近では、通夜当日にお納めすることが多くなっています。お布施は、人数に関係なく、一括して包みます。
また、寺院を式場に借りた場合、規定があれば席料として別にしますが、特に規定がない場合は、その分も含めて包むようにしても構いません。お布施は、奉書紙、半紙などに包み、市販の不祝儀袋に、仏式は「御布施」、神式では「御祭祀料」「御玉串料」などと書きます。式場を借りたような場合であれば「御席料」「志」などとします。

葬儀社への支払い

葬儀後2~3日すると請求書が届きます。請求書が届いたら見積書とよく照らし合わせてから支払います。
初七日までに支払いを済ませるのが一般的です。
※葬儀費用は相続税の控除対象となりますので、領収書はなくさずに保管しておきましょう。

病院への支払い

医療費の支払いは、死亡診断書をもらいに行く時か、遅くとも葬儀の翌日には済ませましょう。
医療費は白い封筒に入れて持参するのが適当です。

その他の支払い

仕出し店や酒屋などでツケになっている場合は速やかに支払いをします。

挨拶回り・お礼状

葬儀でお世話になった方へは葬儀後、喪主が直接挨拶に出向きます。葬儀の翌日か翌々日、遅くとも初七日までには挨拶回りを済ませますが、葬儀後2~3日経っている場合は地味な平服で挨拶に伺う方が自然です。この時、お礼の手土産などは必要ありませんが、もし持参するなら菓子折程度でよいでしょう。

故人の恩人や上司、葬儀委員長など

葬儀の間、お礼の言葉も述べられているでしょうが、何かと失礼をしているものですから、あらためて感謝の気持ちを表現したいものです。心からお礼を述べることが大切です。伺う場合には、喪服を着用される方が良いでしょう。

世話役、自治会、町内会など

近隣の方々は今後の付き合いもありますし、遺族の方々が知らないところで故人がお世話になっている場合もありますから、そのような意味も踏まえてしっかりとお礼を述べます。
受付などのお手伝いをしてもらった場合は、供花で作った花束や供物などと一緒に心づけ(5千円程度)を渡すとよいでしょう。

故人の勤務先、喪主の勤務先など

事前に連絡をした上で出向き、直属の上司や部下、同僚などへも挨拶を行います。
故人の遺留品の整理や受け取りも併せて行うようにしましょう。

一般参列者など

葬儀の参列者全員に「会葬礼状」を受付で渡されていると思います。一般的にはこの形式で行われることに
よって挨拶とされます。改めて伺う必要はありませんが、対面したときには丁重にお礼を申し上げましょう。

お礼状

弔問にはみえず、弔電、供物・供花、香典を贈ってくれた人には、忘れずに礼状を出します。
また、葬儀で世話になった人で遠方に住んでいて挨拶に出向けない場合も、礼状を出します。

弔問客への対応

葬儀に参列できなかった人や、新聞で訃報を知った人などの中には葬儀の翌日くらいから、自宅に弔問に来られることがあります。電話で連絡して来られる方が大半ではありますが、いきなり来られる場合もありますので、後飾りの祭壇を用意し、遺骨、遺影を飾り、お線香をあげられるようにしておきます。

還骨法要

還骨法要とは、火葬後に自宅の後飾り壇に遺骨を安置して行う法要のことで「還骨回向」(かんこつえこう)または「還骨勤行」(かんこつごんぎょう)とも呼ばれています。もともと「還骨」とは、遺骨が自宅に還るという意味から付けられている言葉です。しかし、最近では斎場やレストラン、ホテルなどで葬儀後の会食に先立って営まれる例が多いようです。

初七日法要

亡くなった日から数えて7日目に、故人の魂は三途の川のほとりに辿り着くとされています。無事に三途の川を渡れるように初七日法要を行います。
葬儀後、最初に行われる大事な供養で、遺族・親族をはじめ故人と親しかった人を招き、僧侶に読経してもらい、招いた人達に焼香していただき、一同を茶菓や精進料理で接待します。
近年では、還骨法要と同様に、遠方からの参列者に配慮して告別式後にそのまま初七日法要を行ったり、火葬終了後すぐに初七日法要を行うようになりました。これを「付七日」(つけなのか)と呼びます。
初七日の法要を葬儀と同じ日に行う場合でも、葬儀とは別の日に行う場合でも、初七日の法要に出席する場合には、葬儀の香典とは別に初七日の香典も用意するのが一般的です。

精進落とし

初七日法要が終わると、精進落としを行います。本来、遺族は、四十九日の間、魚や肉を絶った精進料理をとっていて、忌明けと同時に普通の生活に戻るという意味から、その区切りとして、精進落としが行われていました。しかし、今ではその意味は薄れ、葬儀でお世話になった方へのお礼と感謝をこめて、会席膳の料理でもてなす意味に変化しています。
そのため、最上席は僧侶、次いで世話役など、喪主は末席となります。僧侶には前もって、会食のお誘いをしておきましょう。同席せず帰られる場合は、喪主から丁寧にお礼の挨拶をしましょう。
当日のお車料、お膳料を渡していない場合は、このタイミングで手渡します。そのほか、返礼品や供花の花束、供物を分けた小袋などを持たせます。

献杯の発声をお願いする場合

精進落としは、喪主からのお礼の挨拶で始まります。その後、故人を偲んで杯をささげる「献杯」をして、1時間~1時間半ほどの会食となります。献杯の発声は、そのまま喪主が行っても構いませんが、来賓として故人が勤務していた会社の上司が来てくれたというような場合や、親族の中でも立てるべき人がいる場合には、そのような人に献杯の発声をお願いすると良いでしょう。

位牌・戒名

位牌には白木位牌と、本位牌があります。白木位牌を使用するのは四十九日までで、四十九日を過ぎると忌明けとなり、漆塗りの本位牌にかえます。法要の際は白木と本位牌両方準備し、白木の位牌は魂抜きを、本位牌は魂入れをしていただきます。白木位牌は菩提寺に納めますので、仏壇におまつりするのは本位牌の方です。
通常、位牌はひとりひとり独立して作りますが、本位牌の場合は夫婦連名にするケースも少なくありません。また、先祖代々の位牌として1つの位牌に数名分をまとめることもあります。また、繰出位牌(くりだしいはい)といって、ひとつの位牌の中に先祖の戒名が7~8枚書かれた板を入れるタイプの合同位牌もあります。位牌の価格は大きさが同じでも使用している木の材質やデザイン、漆の違いによって大きく異なります。
戒名(かいみょう)とは仏教において出家・受戒した者に付けられる名前で仏門に入った証であり、戒律を守るしるし、仏さまの弟子として与えられます。仏教において、出家した僧は極楽に行けるとされ、故人の場合は仏門に入れるために戒名を与え浄土に引導し成仏させるため戒名をつけるようです。簡単に言うとこの世の名前が俗名だとするとあの世の名前が戒名となります。逆に仏教徒以外には戒名は必要ではありません。(※浄土真宗は戒律が無いので戒名とは言わず、法名と言います。)
戒名や法名は二文字で表されます。どんなに身分の高い人でも二文字で、仏の世界は平等であることが表現されています。ちなみに「戒名」とは別に「院号」「道号」「位号」などが加わることで、戒名の位が変わり戒名料も変わります。

読経料を含めたお布施の相場

戒名料やお布施には決まった金額設定はありません。
いくら包めば良いかわからない場合は葬儀社または宗派のお寺さんに相談しましょう。
戒名料が高いか安いかは檀家の気持ち、故人や遺族のお寺に対する距離や仏教との距離で決まってきます。

宗派 信士・信女 居士・大姉 院信士・院信女 院居士・院大姉
曹洞宗 30万円~ 50~70万円 100万円~ 100万円~
真言宗 30~50万円 50~70万円 80万円~ 100万円~
天台宗 30~50万円 50~70万円 80万円~ 100万円~
浄土宗 30~40万円 50~60万円 70万円~
臨済宗 30~50万円 50~80万 100万円~
日蓮宗 30~50万円 100万円~
浄土真宗 釋○○
10~30万円
○院釋○
50万円~

仏壇・仏具

身近な人が亡くなったあと新たに仏壇を購入する方は、四十九日法要までに仏壇を購入します。
四十九日以降も月命日、お盆、お彼岸、年忌法要等でお坊さんをお招きした際には、仏壇はなくてはならない物です。仏教では、各宗派に限らず、三十五日か遅くても四十九日までには、お坊さんに魂入れ(入仏)してもらい、仮祭壇から仏壇へとお参りする場所を替えてゆくのが一般的です。

仏壇の価格

仏壇の価格は、高いものから安価なものまで幅広いものです。人気のある価格帯は仏壇と仏具を合わせて50万円くらい、高価な仏壇は100万円を超えます。

仏壇の種類

仏壇の種類には、大別して「塗り仏壇」「唐木仏壇」「家具調仏壇」の3種類があります。塗り仏壇は、主として杉材を使い、漆や金箔を押して豪華に仕上げたもので、関西を中心に、北陸、東海地方に多い形式です。唐木仏壇は、黒檀、紫檀、桑などが材料で、金箔などはほとんど使われず、傷がつきにくく耐久性に優れています。主として関東地方で好まれています。家具調仏壇は、現代的なイメージでデザインや材質もモダンで、洋室にも合うので広まってきています。

仏壇の配置

最近は仏間がない家やスペースが取れない家が多く、仏壇を置くスペースに悩まされる方が多くなっています。
仏壇の扉は観音開きになっていますので本体だけでなく扉を開けた状態でどれくらいのスペースが必要になるかを事前に確認すると良いでしょう。仏壇の向きは宗旨により様々な説がありますが、一般的には北向きは避けて置くようにします。神棚と同じ部屋に置く場合は、向かい合わない位置に置きます。

仏具

仏壇には位牌とご本尊が必要ですが、その他に様々な仏具によって仏壇を飾る(荘厳という)必要があります。
最低限必要な仏具は、線香立て(香炉)、ローソク立て(燭台)、花立ての3仏具を三具足といい、ローソク立てと花立てをさらに1つずつ加えると五具足となり、正式な法要に必要な仏具とされています。その他には以下のような仏具がありますので必要に応じて揃えるようにします。

【閼伽棚】 仏前に水を供するための棚。
【数珠( 念珠)】 穴を開けた珠に紐を通したもの。
【団扇太鼓】 日蓮宗・法華宗で用いられる手持ち太鼓。
【経机】 仏教経典を置くための机。
【打敷】 仏壇などの上に敷く布。平時は用いず、法要や彼岸・お盆・正月などに敷かれる。
【過去帳と見台】 仏となった故人の戒名・俗名・成仏年月日・享年などを記す帳と、それを置く台。

四十九日( 七七日忌)法要

仏教では亡くなった日から7週間(四十九日間)この世とあの世を彷徨っているとされています。
この期間は死から新しい生へと生まれ変わる準備をしているのです。その間に遺族が丁寧に冥福をお祈りすることによって、亡くなった人は、初めて無事に極楽浄土に送り届けられるとされています。この7週間は忌中(きちゅう)といい、四十九日が過ぎると忌明け(きあけ)となります。そして忌明け法要では親族・友人・知人たちが参列し、僧侶による読経のあと、焼香や納骨、会食が行なわれます。
法要当日は遺骨、白木位牌、本位牌、御布施、遺影写真、お供え花が必要になります。また忌明け後は閉じてあった仏壇の扉を開けて掃除をし、葬儀時に神棚封じで使用した紙をはがし、白木位牌を菩提寺に納め、遺影を仏壇に飾ります。

 

法要の準備

1.法要の日取りと場所を決める(菩提寺の住職と相談。皆が集まりやすり直前の土日に行うことが多い)
2.関係者に連絡をして人数を把握する
3.式を終えたあとの会食、式場の手配
4.参列者への引き出物の準備
5.僧侶への御礼、御経料の準備
6.本位牌や仏壇の用意

法要当日の流れ

1.現地に集合、着席・僧侶入場
2.施主もしくは司会者が法要開催の挨拶
3.僧侶による読経
4.焼香
5.法話
6.納骨
7.施主から僧侶と参列者への挨拶
8.会食

香典返し

香典返しとは、通夜や葬儀で香典をいただいた方へのお返しです。「無事に故人を送ることができた」という挨拶をする際に、感謝の気持ちとし品物をお贈りします。香典返しは四十九日を過ぎた後、つまり「忌明け」後から贈ります。古くは喪主が直接持参し挨拶と共に贈るものでしたが、現在は忌明けの挨拶状と共に配送するのが通例となっています。

香典返しの時期

【仏式】 四十九日か三十五日の忌明け(近年ではそれを待たずに行うことも多い。)
【神式】 三十日祭か五十日祭ごろ。
【キリスト教】 1ヶ月後の昇天記念日(忌明け・香典返しの決まりはない。)

香典返しでは、後々残らない消耗品を贈るのが一般的です。お贈りする方の趣味や趣向を考えずに済み、誰でも使えるものがよいでしょう。(お茶・のり・タオルなど。)最近では必要なものを送りたいという気持ちからカタログの中から好きなものを選べるカタログギフトを贈る方も増えています。

勤務先には、全員にわたるよう菓子やお茶などがよいでしょう。
香典返しの金額の相場は香典でいただいた金額の3分の1~半分程度とされています。香典返しの品物のかけ紙は水引きが黒白の結び切り、熨斗なしのものを使用するのが一般的です。また表書きには「志」と書きます。

高額な香典を頂いた方への香典返し

関東では、香典返しについては、通夜、葬儀・告別式当日にお返しする「即日返し」が一般的ですが、即日返しに対応する香典額は1万円までが目安です。2万円以上の香典を頂いた場合は、葬儀当日の返礼品の他に、四十九日の忌明け後を目途に、1万円との差額分の半返しを目安にお返しをするようにします。

親族への香典返し

親族からは高額な香典を頂くことが多いでしょう。親族の場合は、会食費もかかっているので、半返しよりも少なめでいいかもしれませんが、遠方の親族など、宿泊費や交通費などをかけて来てくれた場合は、少し多めにお返しをするのが礼儀です。

納 骨

遺骨を墓に納めることを納骨といいます。納骨の時期には、とくに決まりはありませんが、四十九日、一周忌、三回忌の法要などに合わせることが一般的です。遠方から足を運ぶ親族に配慮して、遺族の都合がよい日を選びましょう。場合によっては、葬儀の当日に火葬場から直接墓地へ向かい、納骨するケースもあります。反対に、すぐに納骨せずに、しばらく遺骨を自宅においておくこともあります。遺骨をお墓に入れなくてはいけないという法律や義務は一切ありません。保管場所・保管方法については故人や遺族の意思で自由に決めることができます。

納骨式

納骨の際には納骨式を行います。納骨式では僧侶を招き、読経をしてもらいます。遺族や親族のほか、ごく親しい友人を招いて営むこともあります。納骨式は次のように行います。
1.骨壷を墓に納める
2.卒塔婆を墓石の後ろに立てる
3.生花などを墓前に供える
4.僧侶が読経をする
5.参列者が焼香をする

式の後には僧侶にお布施を渡します。遠方の墓地に足を運んでもらった場合は、交通費(御車代)も渡します。
墓地が檀那寺から離れている場合は、納骨をする前に檀那寺で読経をしてもらい、墓地へは僧侶を同行しないこともあります。

納骨には火葬許可証を忘れない

納骨の際には、火葬許可証と墓地の使用権証が必要です。火葬場では、火葬許可証に、火葬済の証印を押して返してくれます。これが納骨のときに必要となるので、骨壷に一緒に入れておくとよいでしょう。また、手元供養をしている遺骨をお墓に納める際は「分骨証明書」が必要になりますので、将来、お墓に納骨する可能性があるのであれば証明書をもらっておくと良いでしょう。

埋葬・供養の種類

葬儀の形式が多様化しているのと同様に、埋葬や供養のスタイルも変化しています。
故人の意思を尊重するとともに、納得のいく、想いのこもった方法を選んでください。

墓地・霊園

お墓は一生のうち、何度も購入するものではありません。購入される際には場所、デザイン、予算など考えるべきポイントはいくつもあります。さらに購入後も、掃除の問題や移転を考えた時の手続きなど、知っておかなければならない事がたくさんあります。お墓とは、自分がこの世から去っても、子孫を通じてずっとお世話になるものです。しっかりとした知識を身につけて、安心して購入したいものです。

宗旨・宗派

霊園・墓地によって、受け入れることのできる宗旨や宗派があります。今、属している「宗旨・宗派」は何であるか、承継する方を含めて先々どうしたいかということも検討する必要があります。

立地(交通アクセス)

「お墓参りしやすいかどうか」はとても大事な要素です。健康な時は気にならなくても、足腰が弱ってきたり、車が乗れなくなったりした場合、お墓参りが大きな負担になります。お盆お彼岸は言うまでもなく、お墓参りはできるだけ多く行いたいものです。先々のことも考えて、交通の便・アクセスをしっかり確認しましょう。

価格・費用

お墓の価格・費用は一番気になることであり、予算も考えなければなりません。価格体系やお支払い方法も含めてしっかりと把握しておきましょう。また、彫刻費や、法要(開眼・納骨・年忌)に際しての諸経費も考えておきましょう。

お墓の管理

お墓の購入後は、その霊園・墓地と長いお付き合いになります。管理体制がおざなりであれば、せっかくのお墓も荒れてしまいます。また管理事務所がなく、管理人も常駐していない霊園・墓地もあります。備品も置かない所もありますので、あらかじめ確認をしておく必要があります。

墓地・霊園の形態

霊園・墓地は経営する主体(宗教法人・自治体・公益法人)によって大きく3つの種類・形態に分かれます。

【寺院墓地】 お寺の境内地に墓地があり、主に寺院によって管理・運営されています。
【公営霊園】 都道府県、市区町村などの自治体によって、管理・運営されています。地方では、昔から村落(旧行政村)が運営する「共同墓地」という形態もあります。
【民営霊園】 財団法人や社団法人、または宗教法人から運営委託を受けて民間によって、管理・運営されています。

墓地・霊園の形態比較

種類・形態 長 所 短 所
寺院墓地 内地に本堂、仏様(ご本尊)がある安心感
ご僧侶が身近にいらっしゃるため、葬儀や法要、供養面において恩恵
法話の拝聴、相談事にものってもらえる心の平穏面
アクセス・交通条件に恵まれている所が多い(首都圏・大阪など)
寺院境内に墓域があるため、管理面が安心
歴史や境内地の醸し出す風格や独特の雰囲気
墓地の継承者がいなくなった場合でも、永代供養を受けられる(寺院状況にもよります)
ほとんどの所で、宗旨・宗派が限定される場合が多い
「檀家になること」を前提条件とする所が大部分
お寺の行事や活動への参加、寄付等を求められることがある
石材店が決められていることが多い
お墓の形状・デザイン、大きさなど墓石選択の自由度が低い
信仰面第一であるため、お寺や住職さんによって運営面での差が生じやすい
公営霊園 宗旨・宗派の宗教的制約がない
永代使用料や管理料が低めに設定されていることが多い(ただし、都営霊園など一等地にある所などは、民営霊園より高額)
石材店を自由に選べる
公の霊園・墓地であり、運営が自治体であることの安心感がある
申込に際して次のような条件がある
• 住所が霊園の管理・運営する自治体の管轄にあること
• ご遺骨があること
• 親族に承継者がいること
募集が不定期。受付期間も限定されており、応募多数により抽選になることが多い
立地の面で不便な所が多い
お墓の形状や大きさが指定されていることがある
募集する区画が限定されている
民営霊園 個性的な特色や雰囲気、サービスなど利便
性向上のための工夫をしている所が多い
宗旨・宗派の宗教的制約がない場合がほとんど
申込に際しての条件は、寺院墓地・公営霊園に比してゆるい
お墓のデザインや大きさなどが自由に選択できる
「檀家になる」などの条件がない
担当の石材店が決められている所が大部分
価格面において、割高感がある
担当の石材店が決められている所が大部分
価格面において、割高感がある

永代供養墓

お墓参りできない人に代わって、あるいはお墓参りしてくれる人がいなくても、代わりにお寺が責任持って永代にわたって供養と管理をしてもらえるお墓です。一般的に他の人と一緒の墓あるいは同じ納骨室(棚)に安置されることから、合祀(ごうし)墓、合同墓、合葬(ごうそう)墓、共同墓、集合墓、合葬式納骨堂などとも呼ばれています。

一般のお墓との違い

お墓参りしなくてもお寺が責任を持って永代にわたって供養と管理をしてくれる。
墓石代がかからない(個人墓の場合を除く)、墓地使用料が割安になるなどで、一般のお墓と比べて料金が安い。一式料金で10万円から100万円以上と形式、納骨方法によって料金はまちまちですが、30万円から50万円ぐらいが平均と言われています。
一式料金を一度支払えば、その後管理費、お布施(お塔婆代など)寄付金など一切費用はかかりません。
過去の宗旨宗派は問われませんし、宗旨宗派にこだわる必要はありません。

納骨堂

納骨堂は室内のお墓です。納骨堂とお墓の違いを端的にいうと、納骨堂は「ご遺骨を預けて保管してもらう施設」、お墓は「遺体や遺骨を収蔵する施設」といえます。納骨堂もお墓の一種ですが、利便性や引き継ぐ家族がいない等の理由から、納骨堂をお墓として永代納骨をする方が多くなっています。

納骨堂の形式

ロッカー式をはじめ、上段に仏壇や位牌・下段に遺骨を置く納骨壇、納骨堂の中に墓石を置くタイプなどもあります。

納骨堂の特徴

通常のお墓のように維持管理費を支払い続ける限り、使用できる点(永代使用)が特徴です。
一定期間(例えば三十三回忌までなど)個別に安置した後は、永代供養墓などの合祀墓に移して供養するタイプが多いようです。年間維持費の有無、金額には個々でばらつきがあります。遺骨は骨壷で個別に安置されても、お墓参りは共同の参拝所が設けてあることもあり、遺骨の収蔵庫への立ち入りは、できる場合とできない場合があります。

納骨堂の相場

【ロッカー式】 7万円~ 60万円程度
【仏壇式】 70万円~200万円程度
【墓石式】 200万円~ 700万円程度

自然葬

海や川、山、宇宙などに散骨を行って自然にかえすことを「自然葬」と呼びます。通常の葬儀を行ってから、遺骨の一部を簡単な儀式と共に散骨する場合が多いようです。自然葬には、風葬・鳥葬・水葬など様々な種類がありますが、日本で一般的なのは、海や山へ遺灰の一部を撒く「散骨」と呼ばれるものと、墓石の代わりに樹木を植えて埋葬する「樹木葬」です。

散骨について

日本の法律において散骨は、節度をもって行われる限り問題はないとされています。しかし、土地には必ず所有者がおりますので、散骨する土地の所有者の許可を取る必要がありますし、周辺住民からの理解も得ておく必要があります。また、散骨する際は、遺骨を2ミリ以下に粉砕しなければならないと法律で定められているため、個人で散骨を行うことは難しいと思われます。必ず、散骨の扱いのある葬儀社か、散骨専門の業者に依頼するべきです。

海洋散骨

故人やご遺族のご希望に基づいてご遺骨を海へ還す、自然葬の一つの方法です。ご遺族は海を見つめることでいつでも故人を偲ぶことができ、また、法要のときには、散骨ポイントへ行くことでご供養もできます。海洋散骨には、業者によって、代行散骨やクルーザーの貸切による個人散骨などがあり、手元供養とセットにしたプラン等もあります。

樹木葬

樹木葬は、死後も樹木となって生き続けるといった理由から、最近は希望する人が増えてきています。ご夫婦で同じ場所に眠ることも可能ですし、可愛がっていたペットと共に眠ることもできます。
樹木葬は散骨とは違い、墓地として許可された場所でしか行うことができません。その代わり、遺骨を粉砕する必要はありません。樹木葬は、墓地埋葬法に沿った葬送方法であり、通常の墓地と同様、埋火葬許可証が必要となります。

手元供養

手元供養とは、最愛の方の遺骨やその加工品を身近に置くことで心の拠り所となり、故人との絆を再確認することのできる新しい形の供養の方法です。供養に対する考え方の多様化、少子高齢化や単身者の増加によりお墓の継承問題、住宅事情により仏壇を置かない家庭の増加などを背景にして手元供養を支持する方が増えています。ご遺骨の一部をオブジェに加工したりペンダントや指輪に納骨、身に着けることでいつも故人を身近に感じることができるため、心が落ち着き、生きる力になると言われており、最愛の人を亡くした精神的なダメージ(喪失感・罪悪感など)などを自発的に克服するきっかけとして注目されています。

遺品整理

遺族は、故人が生前に使用していたさまざまな品物を整理しなくてはなりません。小さな物ばかりであれば処分にも手間が掛かりませんが、大きな家財道具などを一斉に処分したり、遠方に住んでいた故人の遺品を整理するのは大変です。賃貸住宅などで、早めに部屋を明け渡さなければならない場合は特に大変です。
そういった場合は遺品整理を代行で行う業社にお願いすることもできます。

形見分け

故人と親交のあった人に遺品を贈ることを「形見分け」といいます。亡くなってから1ヶ月を過ぎたあたり、もしくは四十九日法要後に贈ることができるよう準備を進めていきます。贈る品は衣類、装飾品、家具などが多いようですが、親交の度合い、年齢、好みなどを考慮して喜んでいただけるものを選びます。形見の品については特に包装紙などに包まずにそのまま渡しても失礼にはあたりません。ただし、遠慮された場合に無理に押し付けたり、故人より年上の方については、特にご本人が希望しない限り「形見分け」をしないのでご注意ください。

お焚き上げ供養

故人の遺品や想いがこめられたお品などにこれまでの礼を尽くし、浄火によって天界へ還す行いを「お焚き上げ」といいます。遺品は使えるもの、保管するもの、処分するものに大きく分類されますが、そのまま処分することができないもの(故人が愛用していたもの、仏壇、寝具、人形や写真など)についてお焚き上げ供養を行うことができます。
近年では環境問題への配慮から境内での焼納を控える神社や寺院も増えていますので事前の確認が必要です。

新盆( 初盆)

故人の四十九日の忌明け後、初めて迎えるお盆を「新盆」又は「初盆」といいます。お盆には亡くなった人が年に一度帰ってくるという信仰もあり大切な行事の一つですが、特に新盆・初盆は故人が亡くなってから初めてのお盆ということで念入りに供養の行事が行われます。法要では親族、知人、友人などを招き、僧侶による読経、遺族及び参列者による焼香のあと、精進料理でおもてなしをします。
一般に忌明けまでの期間(仏式で四十九日または三十五日)忌中、死後の一年間を喪中としています。喪中の家では祝い事(結婚式・慶事への出席)を慎み、正月行事も行いません。

精霊棚(しょうりょうだな)

お盆の供養の時の飾り付けを精霊棚(しょうりょうだな)と言います。12日頃に飾ります。位牌を仏壇から取り出し、仏壇の扉は閉めて、その前に「精霊棚」の飾り付けをします。

盆提灯

新盆には親戚や縁者から盆提灯が送られます。盆提灯はお盆に霊が迷わず戻って来られるように、目印として飾ると言われています。地域によって異なりますが、何も絵柄のない白張提灯を新盆の時だけ使い、毎年のお盆には秋草の模様などの入った提灯を使います。

喪 中

喪中ハガキ

喪中・年賀欠礼状(喪中ハガキ)は、1年以内に近親者に不幸があった時に、年賀状の交換を辞退する旨を伝える書状の事です。相手が年賀状を用意する11月中旬頃~12月初めに届けます。遅くても、年賀特別郵便取り扱いが始まる前に届けましょう。もし行き違いになってしまい、喪中・年賀欠礼状を送った相手から年賀状を投函してしまったと連絡を頂いた時は喪中の知らせが遅れた事をお詫び申し上げ、年賀状を先方から頂いた分には差し支えない旨を述べましょう。

喪中とする近親者の範囲

一親等(父母・配偶者・子)、生計を共にしている二親等(祖父母・兄弟姉妹・孫)にあたる人が亡くなった時に、喪中・年賀欠礼状を出します。なお、これはあくまでも一般的な例であり、どの範囲まで喪中にするかは地方や家の習慣により様々です。

喪中のお中元・お歳暮

お中元・お歳暮は半年間お世話になったことへの御礼を込めた季節のご挨拶なので、喪中とは関係ありません。
喪中であっても、お中元やお歳暮は、贈ったり、いただいたりしても構いません。

一周忌法要

亡くなってから七日ごとに法事・法要があります。四十九日までの法要を「追善法要」と言い、その後一年ごとの法要を「年忌法要」と呼びます。亡くなってからちょうど一年目の同月同日(「祥月命日(しょうつきめいにち)」を「一周忌」と呼びます。一周忌には、親族以外にも、知人・友人などを招いて行なわれます。一周忌を終えると喪の期間も終了します。

法要当日の流れ

  1.  僧侶による読経
  2.  焼香
  3.  法話
  4.  お墓参り(省くこともある)
  5.  施主から参列者への挨拶
  6.  会食(お斎)

※法事の日程を決める際、法要の日が平日にあたる場合には、直前の土曜日か日曜日にずらすのが一般的ですが、一周忌法要についてはできるだけ同月同日に行ないます。
※亡くなってからの日数の数え方については、百か日までの追悼法要は、亡くなった日を含めて数えるのが一般的です。また、一周忌法要だけは満1年目に行いますが、それ以降の一年ごとの年忌法要は年数−1年 (年数マイナス1年)で行ないます。

服装

遺族は、三回忌までは喪服が基本です。七回忌以降は略式喪服や地味な色の服装で構いません。参列者は、初七日〜四十九日法要は略式喪服を着用します。一周忌以降の年忌法要の場合は略式礼服または地味な服装で。七回忌以降は、地味であれば平服でも構いません。

 

用意するもの

施主は引出物を用意します。引き出物には、おもてなしの土産というほかに参列者が持参する香典に対するお返しの意味もあります。僧侶に読経を依頼する場合には、お布施も用意します。自宅で法要を行なう場合にはお布施の他にお車代なども用意します。参列者は、御供物料、御仏前、御香料などを持参します。

会食の席次

会食の席での最上席は僧侶に座ってもらいます。施主は僧侶をもてなす意味で、僧侶の隣に座りますが、他の親族は末席に座るのが普通です。

一周忌香典の相場

地域や法事の規模、生前の故人との関係などにより様々ですが、凡そ5千円から2万円の間が一般的です。

まとめ

いか大切な方とのお別れは大変辛いことです。
深い悲しみの中、遺された遺族はこれらの手続きを進めなければなりません。
いつも以上に負担は大きくなります。まずはご自身のお身体を大切にしてください。
一人で抱え込まずに、専門家や代理業者におまかせすることをおすすめします。

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