年を重ねると「自分のルーツ」について気になってきますよね。
家系図の作成で自分の先祖を遡りたいけれども、自分で調べたら良いのか、それとも、専門家に頼んだらいいのか、調べ方がわからないと感じる方も多いでしょう。
そこでこの記事では、自分でできる家系図の調べ方やまとめ方、プロに依頼した場合の費用などを詳しく解説していきます。
家系図を作成して、自身のルーツやファミリーヒストリーを辿ってみてはどうでしょうか。
家系図とは、先祖代々の系統を図示したもの
家系図(家譜・系図)とは、先祖代々の系統を書きあらわした表です。曾祖父、祖父母、父母、子といった順序で、古い世代から記載されるという特徴があります。
家系図は一族のルーツがビジュアル化されており、親子関係や婚姻、養子関係などの関係図としても役立つでしょう。
家系図の活用方法
家系図作成の魅力は「自身のルーツが分かること」だけではありません。
ここでは、より実用的な活用方法として「『家族年表』や家族へのプレゼント」、「親族との絆が深くなるきっかけ」、「相続シミュレーション相関図への情報活用」の3つを紹介します。
「家族年表」や家族へのプレゼントとして
家系図は名前を記載するだけではなく、故人の命日や誕生日などを列挙し、写真を入れることで「家族年表」としても使えます。
家系図を見ながら、今までの家族の歩みを伝える際にも重宝するでしょう。
孫が生まれた際には、家系図に孫の写真と誕生日を入れてプレゼントしても喜ばれるかもしれませんし、家族の結婚や法事、または還暦祝い、祖母・祖父への長寿祝いのプレゼントとしても活用できます。
親族との絆が深くなるきっかけとして
自宅に家系図があることで、同じ先祖を持つ親戚との距離が縮まる可能性があります。「一族が線と線でつながれている」という共通認識を得られるからです。
たとえば、親戚が訪ねてきた際に家系図を広げることで、会話のきっかけになるのではないでしょうか。
家系図は親戚にとっても自身のルーツが分かる貴重な資料です。共通の話題が生まれることで、親戚付き合いがスムーズになる可能性があるでしょう。
家系図で収集した親族情報は「相続シミュレーション相関図」にも活用できる
家系図を作成するために収集した親族等の情報は、「相続シミュレーション相関図」の作成時にも活用できます。
家系図は一族の代々の系統を書き表した図表ですが、相続シミュレーション相関図は相続に関係する人のみを書き記した図表です。
家系図の親族の人数や構成などの情報を活かして相続シミュレーション相関図を作成すれば、誰が法定相続人なのかが分かりやすく、相続の場面時における資産承継で大きく役立つことがあるのです。
仮に「父親に養子がいる」など親族関係が複雑な場合であれば、より正確な親族情報があることで、遺産分割協議などの相続手続きがスムーズに進む可能性があるでしょう。
本やお寺でも可能?家系図の調べ方
家系図の調べ方は、自分で調べる方法と行政書士のようなプロに依頼する方法があります。自分で調べる場合、「戸籍謄本の取り寄せ」、「過去帳」「図書館で文献調査」が基本です。
過去帳とは、その家の故人の名前や戒名、没年、死亡年齢などを記した帳簿です。過去帳をお寺で保管しているケースも多いので、実家にない場合は菩提寺に確認してみてください。
自分で調べることができなかったときは、「行政書士のようなプロに依頼する」という方法があります(両者共に、後述します)。
次章では、戸籍謄本で家系図を調べる方法について解説します。
自分で役所から取り寄せる!【戸籍謄本からの家系図の調べ方】
この章では、戸籍についての基本的な事柄を含めて、自分で役所から戸籍謄本を取り寄せる方法について説明します。
具体的には「取り寄せできる戸籍の範囲」「取り寄せできる戸籍の種類」「自分につながる先祖の調べ方」の3つのステップで解説していきます。
取り寄せできる戸籍の範囲を知る
戸籍謄本とは、自分がどこで生まれたのか、誰の子どもであるか、いつ婚姻したのかが記載されているものです。
戦後の戸籍謄本には三代戸籍禁止の原則があり、夫婦と未婚の子どもの情報以外は載らないため、他の親族の戸籍謄本は、あらためて取り寄せなければなりません。
ただし取得できる戸籍謄本には範囲があり、基本的に請求する戸籍に記載がある人や、その配偶者、直系血族(直系尊属と直系卑属)となります。
「直系尊属」とは父母、祖父母、曾祖父母のように自分より上の世代。「直系卑属」は子、孫のように自分より下の世代です。
このような一直線につながるタテの系統の戸籍謄本は取り寄せ可能です。
一方「傍系血族」とは、兄弟のように同じ先祖から分かれたヨコのつながりをいいます。おじ、おばのような上の世代は「傍系尊属」。甥、姪のような下の世代は「傍系卑属」です。
「傍系血族」の戸籍謄本は取り寄せることができませんが、おじやおばの戸籍を請求するためにその子(従弟従妹)、もしくは孫の委任状があれば請求可能です。
取り寄せる先は本籍地のある役所の窓口、もしくは郵送となります。自治体がコンビニ交付サービスを提供している場合は、コンビニでの発行も可能です。
取り寄せできる戸籍の種類を知る
戸籍簿の種類には主に以下の3つがあります。
それぞれに「全員について記載されている謄本」と「一部の人について記載されている抄本」があります。
「現在戸籍」とは、現在使っている戸籍のことです。
「除籍」とは、戸籍に入っている人が結婚や死亡などで全員いなくなった戸籍をいいます。相続時に法定相続人を調査するために「除籍」を取り寄せることもあるでしょう。
先祖を調べるには除籍が必要不可欠ですが、保存期間が150年と法律で定められているため、廃棄処分されて手に入らないこともあるので注意が必要です。
「改製原戸籍(かいせいはらこせき)」とは、改製前の古い戸籍のことで「原戸籍(はらこせき)」ともいわれています。
法令の改正により戸籍の様式が変更となると新しい様式の戸籍に書き換えが行われますが、 この書き換え前の戸籍を改製原戸籍といいます
自分で家系図を作るには、上記3種類の戸籍を取り寄せて調べることになるでしょう。
戸籍で自分につながる先祖を調べる
戸籍で家系図を作る際に重要なのが「範囲を決めること」です。家系調査では膨大な数の先祖が登場し、際限なく広がってしまう恐れがあります。
そのため、遡る系統と範囲を定めたうえで、あらかじめ家系図の目的を決めておきましょう。
たとえば「自分の苗字のルーツを探す」が目的であれば、父の戸籍→祖父の戸籍→曾祖父の戸籍→高祖父の戸籍→高祖父の父の戸籍のように、父方直系の先祖の戸籍調査を行います。
系統を絞ることで、江戸時代初期まで先祖を辿れるかもしれません。
戸籍を取り寄せる中で、祖父や曾祖父などが養子に入っていれば同じ苗字とは限りませんが、その場合は祖父や曾祖父の「養父の戸籍」を取り寄せることになるでしょう。
さらに祖父や曾祖父などが婿養子に入っている場合は、祖母や曾祖母と同じ苗字になっているケースがありますが、この場合も祖母や曾祖母などの「実父の戸籍」を取り寄せます。
また、家系調査でヒントになるのが「家紋」です。
家紋だけでルーツを探ることは難しいのですが、江戸時代からは一般庶民でも家・一族の標識として使われてきた可能性があるため、系統や同族関係を明らかにする資料として役立ちます。
ただし文献を使用し、家紋の由来や同じ苗字と家紋の組み合わせを調べるなど、さまざまな情報と照らし合わせながら共通点を探る必要があるでしょう。
家系図のまとめ方3選
戸籍を取り寄せてルーツを調べた後は、その系統をまとめる作業が必要です。主な方法に以下の3つがあります。
- 手書き
- エクセル
- アプリ
それぞれについて簡単に説明します。
ルールを決めて「手書き」でまとめる
手書きでまとめる場合は「樹形図」を用いるのが一般的です。樹形図とは、ある事象を樹木の枝のように伸ばしていき、視覚的に確認する手法をいいます。
夫は右、妻は左、夫婦は二重線など基本的なルールに則って作成するとよいでしょう。
上段から下段へ世代関係を示すように書けば、視覚的に先祖と子孫に分かれるため、関係性が分かりやすくなります。
また、手書きの書体にもこだわる場合は、ボールペンではなく、万年筆や筆で記す方法もあります。
書道が上手な友人・知人に頼んでみるという選択肢もあるでしょう。
無料ダウンロードできるテンプレートを使って「エクセル」でまとめる
家系図はパソコンを使うと、より早く仕上がります。
Microsoft社のエクセルなら、色々なサイトで家系図作成用のテンプレートが無料ダウンロード可能です。
あらかじめデータを入力することで、自動作成できるものもあるようです。
エクセルは入力を間違えてもスムーズに修正できるため、手書きに比べて作業がはかどるでしょう。
スマホやタブレットを使って「アプリ」でまとめる
最近はスマートフォンやタブレットに対応した家系図作成アプリが複数リリースされており、無料で利用できるものもあります。
家系図作成アプリはエクセルのようにパソコンを起動する必要がなく、スキマ時間に入力できるという手軽さがメリットです。
家系図は作成後に変化する可能性があるので、まずは手軽に使えるアプリから始めてみるのもおすすめです。
家系図を調べて作るのにはどのくらい費用がかかる?
自分で先祖を調べる場合、どの範囲の戸籍を取り寄せるかによって費用は異なります。
戸籍謄本は1通450円、除籍謄本または改正原戸籍は1通750円なので、仮に戸籍謄本3通、除籍謄本と改正原戸籍合わせて5通取り寄せた場合、5,000円以上の費用がかかるでしょう。
もしプロに依頼したい場合は、行政書士や家系図作成会社、表装・印刷会社に頼むのが一般的です。
行政書士の個人事務所にお願いした場合、「どの家系まで遡るか」などで料金は異なります。調査する戸籍の範囲が広がるにつれて、料金が高くなっていきます。
もっと詳しく祖先の調査をしたいなら、「国会図書館」もおすすめ
東京にある「国会図書館」には、先祖探しのための基本資料や全国の郷土史がそろっています。
現在、取得可能な最古の様式「明治19年式戸籍」により、先祖の最も古い本籍地が分かった場合は、地名辞典や郷土史などの本を活用することで、先祖についてさらに深く調査できる可能性があるでしょう。
行政書士のような専門家に家系図作成を依頼する場合、その事務所のプランによっては国会図書館まで足を運んで調べてもらえることがあります。
まとめ 終活のサポートなら、全国シルバーライフ保証協会にご相談ください
家系図とは、先祖代々の系統を図示したものでした。
この記事で紹介したように家系図を作っておくと色々と活用できるので、業者や行政書士に依頼して家系図を作成することをおすすめします。
自分で家系図を作成する場合は「自分のルーツを残しておきたい」と終活の一環として家系図作成を行う方も多く、子どもや孫と旅をしながら家系図を作る人もいるようです。
ルーツを探す旅に出る前にこの記事で紹介した内容をもう一度振り返っておきましょう。
自分の人生を振り返り、今後のことについて考えた結果、終活のサポートが必要なら全国シルバーライフ保証協会にぜひご相談ください。
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