認知症になってしまうと、本人は判断能力が無いとされるので自身で財産の処分ができなくなります。
今、社会的に大きな問題となっているのが「空き家問題」。
空き家となる原因は様々ありますが、その中には、
「認知症になって施設に入った方が、不動産の売却契約ができないため放置している」
というものがあります。
本人以外が財産を処分するには?
●成年後見
成年後見制度は、判断能力を失った本人に代わって様々な手続きを行う「後見人」を付ける制度です。
裁判所の許可を経て本人に代わる手続きを行います。
後見人選任から本人所有の不動産を売却までの手順は大まかに書くと下記になります。
①後見開始の申し立てを家庭裁判所へ行う
②医師の診断書を元に家庭裁判所が後見開始の有無を判断
③後見人を選定し、審判が下りて後見開始
④後見人が不動産売却を本人に代わって行う
⑤後見人が家庭裁判所に不動産売却の許可申請を行う
⑥許可が下りたら、売却代金の精算、不動産登記の移転が行われる
【後見人による不動産売却の注意点】
1.後見人が選任されるまでは3~6か月かかる。
裁判所に申し立ててから、成年後見人はおよそ6か月、事前に後見人を決めておく任意後見人はおよそ3か月してから後見人が就任します。
場合によっては、資金が必要な時に不動産売却が間に合わない可能性もあります。
2.基本的には本人のためになることでしか財産の処分ができない。
例)
ケース1 本人が高齢者施設に入るための入居金として自宅を売却して資金を用意する
ケース2 本人の子供が自宅を建てるので、その援助として不動産を売って資金を息子に渡す
この場合はケース1は家庭裁判所で認められますが、ケース2は認められない可能性が高いです。
なぜならケース2は本人のために行うことではないからです。
事前に本人と息子との間で「家を建てるときは援助する」と約束していても認められる要因とはなりません。
●家族信託
上記のように、後見人でも不動産を自由に処分することはできません。
そこで、後見人に影響されることなく親族が不動産を売却できる方法として、家族信託があります。
これは、認知症になる前に親族の誰かと信託契約を結んでおくことで効力が生じます。
例)本人はまだ元気だが、認知症になったら息子に不動産を売ってもらい、その代金は息子が受け取るようにしたい
上記の内容で、
・委託者(本人)が認知症になったら受託者(息子)が不動産を処分できる権限を持ち、実際に処分した代金は受益者(息子)が受け取る
という契約内容にしておけば、後見人に影響を受けることなく不動産の処分ができます。
※信託契約書は誰がどこまで処分するかを厳格に決める必要があるので、専門家の協力で作成した方が良いです。契約書に不備があると信託契約自体が無効となる可能性もあります。
まとめ
家というのは人が住まなくなると急に傷んできます。ご本人のみならず、ご親族や近隣にお住いの方にとっても良いことはあまりありません。
託せるご親族がいらっしゃればその方と万が一の時の話を良くしておくこと。もしいらっしゃらければ、法的手続きで管理や売却を行ってくれる方へ依頼しておくことが、心配事の解決になる場合もあります。
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