不動産は価値が大きく、それだけにトラブルに見舞われやすく、大きな損失を出しやすいものです。 また、預貯金に関しては、亡くなられた方の口座は凍結されてしまいます。名義変更の正しい手順を踏んで、トラブルを未然に回避しましょう。
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預貯金
相続が発生しますと、預金口座は支払停止となります。 そこで、相続人全員の同意書を作成し、口座解除する手続きを進めるようになります。
必要書類(銀行の場合)
銀行では、次のような書類の提出をお願いすることが多いようです。
- 名義変換依頼所(銀行に備付)
- 除籍謄本(被相続人)
- 戸籍謄本(相続人)
- 預金通帳
- 遺産分割協議書(銀行に備付)
- 相続人全員の印鑑証明書
必要書類は各銀行によって異なりますので、詳しくはそれぞれの銀行にお問い合わせて下さい。
必要書類(ゆうちょ銀行の場合)
ゆうちょ銀行又は郵便局から「相続確認表兼貯金支払停止依頼書」を受け取り、ご記入の上、ご提出下さい。追って預貯金事務センターから必要書類についてご案内が届きます。
※「相続確認表兼支払停止依頼書」は、相続人の家系図や、貯金口座の種類・証書の有無などを記入する必要があります。
債権・株式証券
相続が発生しますと、預金口座は支払停止となります。
そこで、相続人全員の同意書を作成し、口座解除する手続きを進めるようになります。
債券
「債券」は下記の種類があり、手続きは各発行体や銀行・信託銀行・証券会社で扱っております
種類 | 発行体 | 備考 |
---|---|---|
国債 | 国 | 信用力は全ての債券の中で最も優れている |
公募地方債 | 地方公共団体 | 平成18年度は23都道府県と15政令指定都市が発行 |
政府保証債 | 政府関係機関 | 元利金の支払いに政府の保証付きで発行 |
財投機関債 | 政府関係機関 | 元利金の支払いに政府の保証付きで発行 |
普通社債 | 事業会社 | 電力債、一般事業債など |
- 必要書類
- 各発行体で必要な書類が少し異なりますので、
それぞれの金融機関から取り寄せるようになります。 - 申告期限
- 10ヵ月以内
株式証券
●「株式証券」は次のような分類になります。
- 1. 上場株式
- 証券取引所に上場されている株式
- 2. 気配相場等のある株式
-
- 登録銘柄や店頭管理銘柄
- 公開途上にある株式
- 国税局長の指定する株式
- 3. 取引相場のない株式
- 上記以外の株式
- 必要書類
-
- 1.株券(預かり書)
- 2.亡くなられた方の除籍謄本
- 3.各相続人の印鑑証明書
- 手続き先
- 証券会社・発行法人・業務代行の信託銀行
- 申告期限
- 10ヵ月以内
- 申請書類
- 株主名義書換請求書
保険契約
お亡くなりになった方の保険契約を引き継ぐこととなります。
保険の種類 | 連絡先 | 必要書類 |
---|---|---|
自動車保険 | 損害保険会社 |
|
火災保険 | 損害保険会社 |
|
積立保険 | 保険会社 |
|
ゴルフ会員権
各ゴルフ場で手続きの詳細が異なります。
- 必要書類
-
- 遺産分割協議書または遺言書
- お亡くなりになった方の除籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の印鑑証明書
- 名義書換料
- 手続き先
- 所属のゴルフ場
- 申請書類
- 名義書換申請書(各ゴルフ場所定の用紙)
※ゴルフ場により提出書類が異なりますので、確認が必要となります。
公共料金(電気・ガス・水道)
- 名義変更
- 電話での依頼で手続きが行えます。
- 口座変更
- 支払が自動引き落としの場合には、引き落としの口座変更も必要です。
早めの手続きが必要です。 - 申請期限
- できるだけ速やかに(被相続人の口座から引き落としができなくなるため)
- 手続き先
- 電力会社、ガス会社、水道局
- 申請書類
- 預金口座振替依頼書
住まい(賃貸住宅)
公営住宅は入居者の死亡により相続人が入居する権利を当然に引き継ぐものではありません。同居していて入居要件などを満たしているケースはともかく、相続できないとされています。
- 必要書類
- 公営住宅(要件を満たす場合)
- (1)名義承継に関する念書
- (2)亡くなった方の戸籍謄本(除籍謄本含む)
- (3)承継希望者と入居者全員の住民票
- (4)承継希望者の所得証明書
- (5)承継希望者の印鑑証明書
- 民間、家主との間で新たに賃貸借契約書の名義変更をします。
- 解 約
- ひきつがないのであっても家賃は発生しますので、速やかな解約手続きが必要です。
敷金返還請求権も相続します。 - 手続き先
- 公営住宅:市、県等の窓口、管理センター等
民 間:不動産業者、家主
自動車
自動車の相続による名義変更は、陸運局(陸運支局・検査登録事務所)で手続きを します。必要書類は次のようになりますが、以下の3パターンで必要書類が変わって きます。詳しくは相続アドバイザー行政書士までお問い合わせください。
- 【パターン1】自動車の相続人が一人しかいない場合
- 【パターン2】複数の相続人のうち一人が自動車を単独相続する場合
- 【パターン3】複数の相続人が共同で自動車を相続する場合
- 必要書類
-
- (1)お亡くなりになった方の除籍謄本
- (2)遺産分割協議書または遺言書
- (3)申請書
- (4)自動車検査証
- (5)相続人の戸籍謄本
- (6)相続人の印鑑証明書
- (7)手数料納付書
- (8)車庫証明
- (9)自動車税申告書
- 手続き先
- 陸運局(陸運支局・検査登録事務所)
電話
電話加入権の名義変更手続きはNTTに対して郵送で行います。
- 必要書類
-
- (1)お亡くなりになった方の除籍謄本
- (2)相続人の戸籍謄本
- (3)電話加入権等承継・改称届け出書
- (4)振替口座変更届
- 口座変更
- 支払が自動引落としの場合には、引落としの口座変更も必要です。早めの手続きが必要です。
- 申請期限
- できるだけ速やかに(被相続人の口座から引落としができなくなるため)
- 手続き先
- NTT
未登記建物の登記申請
登記していない建物も相続の対象となります。お亡くなりになった方の名義ではなく、直接、相続人の名義で登記することができます。所有権保存登記まですれば、建物の権利証(登記識別情報)が発行されます。
建物の変更・滅失登記
登記はしてあるけれども実物と登記簿の記載が合っていなかったり、そもそももう存在していない建物が登記されていることもあります。相続のときに一度、全部調べ、きれいにしておくことをお勧めします。
- 必要書類
-
- (1)遺産分割協議書または遺言書
- (2)お亡くなりになった方の戸籍(除籍)謄本
- (3)相続人の住民票
- (4)相続人の戸籍謄(抄)本
- (5)証明書(建築確認済証、検査済証、資産証明書、工事人の証明書等)
- ※その他、事案によって別の書類が必要となることがあります。
- 手続き先
- 法務局
- 申請書類
- 申請書、建物図面、各階平面図 他
小規模宅地の特例を活用して評価を80%減に
相続税が発生する場合の評価額を下げる特例です。 遺産の中に居住用や事業用に使われていた宅地等がある場合に適用されます。
宅地の種類 | 減額割合 | 適用面積 | |
---|---|---|---|
居住用宅地 | 特定居住用宅地等 | 80% | 240㎡ |
その他の居住用宅地 | 50% | 200㎡ | |
事業用宅地 | 特定事業用宅地 | 80% | 400㎡ |
その他の事業用宅地 | 50% | 200㎡ | |
特定同族会社事業用宅地 | 80% | 200㎡ |
例えばお亡くなりになった方が住んでいた土地を配偶者が引き継ぐ場合は、上記の黄色い部分に該当します。
300㎡、評価額6000万円の土地の場合、
(1)6000万円÷300㎡=20万円(1㎡あたりの評価額)
(2)20万円×240㎡×80%=3840万円
が、減額する金額となります。
6000万円-3840万円=2160万円が減額後の評価額となります。
特例を受けるためには、一定の要件に該当する必要があります。
相続税の申告・納付
相続税の申告をする必要があるのは、下記の(1)、(2)、(3)を加えたものから、(4)、 (5)、(6)を差し引いたもの((7))が、(8)の基礎控除額より、多い場合です。
※(9)の差額分は、相続税が発生します。具体的な相続税額は、提携税理士がご案内いたします。
1年以内の相続税更正請求(分筆して土地評価を減額する方法)
相続税の申告後でも宅地を分筆すると、評価を下げることができる場合もあります。 申告までにどうしても分筆登記が間に合わない時でも、1年以内であれば更正の請求が可能です。 ※極端な分割は認められない場合がありますので、お早めにご相談ください。
宅地が二方の道路に面している場合
【評価額】=50万円×200㎡=1億円
【評価額】=50万円×100㎡+30万円×100㎡
=8000万円
宅地が一方の道路に面している場合
【評価額】=50万円×200㎡=1億円
※間口・奥行によりこのような区分も可能です。
計算は現状により異なります。