被相続人名義の土地や建物等の不動産を相続する場合には、不動産の名義を被相続人から相続人へと変更する手続き(相続登記)が必要になります。
この不動産の名義変更の手続きを怠ると、後々思わぬ問題が発生する原因にもなりかねませんので、相続が発生したら相続登記の手続きは速やかに行う必要があります。
遺産相続での不動産の名義変更は、相続人全員での遺産分割協議が完了してから進める事になります。
※不動産は、民法により時効取得が可能とされています。
相続した土地や建物などの不動産が、一定期間、他人に占有された状態であった場合、その不動産を占有していた人がどのような意思であるにも関わらず、その人の財産として認められてしまう事が可能とされています。
また、その占有している人に対して立退きを要請する場合には、それがたとえ自分の所有する不動産であっても、法的な手続きを正しく取らなければ、逆に訴えられてしまう可能性もあるのです。
不動産の名義変更の流れ
相続人全員による遺産分割協議によって、財産の分割方法を決定
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不動産名義変更に必要な書類の収集
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登記申請書の作成
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管轄の法務局へと相続登記を申請する
手続きのすすめ方
遺産分割協議の内容によって、登記の際に必要な書類が異なるので、下記で確認していきましょう。
法定相続人が一人、または法定相続分で相続をする場合
- 不動産の固定資産税評価証明書
- 法定相続人全員の住民票
- 法定相続人全員の現在の戸籍謄本
- 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの一連の戸籍謄本
上記書類は市区町村役場で取得できます。
※東京23区の場合、不動産の固定資産税評価証明書の取得場所は、都税事務所になります。
遺産分割協議によって決めた割合で相続をする場合
- 不動産の固定資産税評価証明書
- 遺産分割協議書
- 法定相続人全員の住民票
- 法定相続人全員の現在の戸籍謄本
- 法定相続人全員の印鑑証明書
- 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの一連の戸籍謄本
遺産分割協議書は、遺産分割協議書の作成ページで作成した協議書を、そのまま使用することが可能です。
申請書の作成
相続登記の申請は、登記申請書に収集した必要書類をクリップ等で添付して、相続する不動産の所在地を管轄している法務局(登記所)に提出します。書類等に不備等がなければ、約1週間ほどで相続登記の手続きが完了します。
当事務所では、実績あるパートナーの司法書士が不動産の名義変更の申請書の作成を担当します。
また、登記を申請する際には登録免許税という税金が発生します。
この登録免許税は、固定資産税評価証明に記載されている不動産の価格に1000分の4を乗じた価格になります。
土地を分割してから登記する場合
遺産分割協議において、土地をいくつかに分けて相続人に配分するという場合、相続登記の申請をする前に、まず先にその土地を物理的に分ける手続きを行う必要があります。
対象となる土地について地積測量を行い、土地分筆登記(1つの土地を複数に分ける手続き)の申請をします。
土地分筆登記が完了した後、分筆した土地を各相続人へと名義変更する手続きを申請することになります。