税務調査とは、税務署が国税(相続税など)の申告内容に誤りがないか調査することです(詳細は後述)。相続税における税務調査の実態、税務調査の対象とされる方の特徴、税務調査を回避する方法について解説していきます。相続税申告が必要な方で税務調査が気になっている方には必見の内容です。ぜひご覧ください。
相続税の税務調査とは
税務調査とは、国税庁が管轄する税務署が、納税者の申告内容に誤りがないか調査することです。「そもそも相続財産が少ない…」「富豪ではないし、一般家庭だから…」と思っていても、申告内容に疑わしい部分があれば税務調査が入る可能性があります。税務調査の結果、本当に申告内容に誤りがある場合は「追徴課税」(後述)が課されます。
そもそも、どうやって税務署は申告の漏れや誤りがわかるのか
税務署はみなさんがどのくらいの財産を所有しているのかある程度把握しています。
税務署を管轄する国税庁には国税総合管理(KSK)システムという独自の巨大なデータベースがあり、国民の確定申告(源泉徴収)や所有する財産などの情報を参照できます。ゆえに、税務署は「この人は大体このくらいの財産を相続していて、納めるべき税額は大体このくらいだろう」と見積もることが可能です。見積もった金額より申告された金額が少ないと税務署は申告漏れの疑いをかけてきます。
また市町村に死亡届が提出されると、税務署にも通知されます(相続税法第58条)。つまり税務署は「誰がいつ亡くなったか」まで知ることができるので、遺産を相続しているのに相続税を申告していない(無申告)ケースについても把握できます。
申告漏れや無申告の疑いがあれば、税務署は真偽を確認するために税務調査を実施するというわけです。
相続税の税務調査は突然自宅に押しかけてくる?
基本的に一般的な家庭の相続で、突然税務署の職員が押しかけてくるようなことはありません。税務調査には大きく分けて「任意調査」と「強制調査」の2種類があります。
任意調査とは、事前に調査の連絡があり、納税の義務がある方の協力を得て実施される税務調査のことです。ただし税務調査を拒否した場合には国税通則法128条に基づいた罰則があることから、「任意」とはいいつつも拒否はできません。
任意調査にも次の2種類があります。
簡易な接触 | 自宅などに訪問することなく、書面や電話による連絡や税務署での面接の実施で、申告内容を是正すること |
実地調査 | 過少申告や無申告が疑われる想定される場合に、事前に予告して、実地調査を実施して詳細に確認すること |
税務調査と聞いてイメージするのは実地調査かもしれませんが、必ずしも実地調査が実施されるわけではありません。上記の「簡易な接触」で済む場合もあります。
一方で強制調査とは、俗称「マルサ」で有名な国税局査察部が、予告も同意を得ることもなく、裁判所の令状をもって強制的に税務調査を実施することです。強制調査は大口の脱税事案など悪質な案件に対して実施されます。
税務調査の大半は任意調査となり、ある日突然「マルサが突入してきて家捜し」となることはほとんどありません。
相続税の税務調査の内容は?税務署はどこまで調べるのか
「簡易な接触」が実施される場合は調査官が直接自宅を訪ねてくるようなことはありません。ヒアリングベースで申告漏れや申告書の誤りなどの事実確認が行われます。
実地調査の場合は税務署の調査官が被相続人(亡くなった方)の自宅や、相続人(財産を相続したみなさん)の自宅などで、申告から漏れた財産がないか調査します。例えば、金庫や机の引き出し・収納の中などに、以下のようなものがないか調査します。
- 通帳(被相続人だけではく、相続人のものも確認)
- 印鑑
- 手許現金(タンス預金など)
- 不動産の権利書
- 有価証券(株式など)
- 高価な骨董品・絵画など
特に通帳はお金の動きがわかるため、調査の対象となりやすいです。被相続人の死亡後に本人の通帳から出金・振込をした履歴があれば用途を確認してきます。「通帳に預金が多いと相続税がたくさんかかってしまうなら少なく見せよう」などと、不正に口座から出金・振込をしてタンスの中に隠したり、相続人の口座に入金したりする場合もあるためです。
また印鑑の使用状況も調査されます。朱肉を付けずに空押しして印影が残ると、最近その印鑑を利用したと見なされて、印鑑を最後に使用したのはいつか?などの質問がなされるかもしれません。
このほかにも被相続人が書き残した手帳・ノート・日記なども調査の対象となることがあります。申告が漏れている財産の手がかりとするためです。
ちなみに「税務調査では何年前までさかのぼるか」気にされる方が多いのですが、これはケースバイケースなので一概に言えません。多くの金融機関が預金口座の取引履歴を10年分保存しているため、相続税の税務調査で10年前までさかのぼるケースもあります。
相続税の税務調査はいつ来る?時期について
税務署は申告書の内容を慎重にチェックするため、相続税を申告した直後に税務調査が行われるケースは珍しいです。相続税の税務調査が来る時期は一般的に相続税申告の1〜2年後の夏〜秋(7月〜11月)頃といわれています。
また税務署は7月に人事異動があり、税務調査中に人事異動を挟むと引継ぎに時間をとられるので、7月をまたぐような税務調査は実施されにくいとされます。人事異動後に調査を開始すれば、次の人事異動の時期まで少なくとも1年は調査に充てることができます。ゆえに、7月以降に税務調査を実施するケースが多いようです。
ただし、1〜2年後に税務調査が来なかったからと言って油断は禁物です。税務署ですぐに税務調査へ人員を割くことが困難なためか、3〜4年後に税務調査に来るケースもあります。
相続税の時効を迎えたら税務調査はどうなる?
相続税における時効は、申告期限(相続発生後10か月後)から5年または7年(悪質な場合)と定められています。時効が成立すると国は相続税を徴収する権利がなくなり、相続税を払う義務はなくなります。税務署が税務調査をすることもできなくなります。
ただし、先述の通り、税務署は相続財産を把握できます。申告漏れなどがあるのにもかかわらず、申告期限から5年間、税務署から何のお咎めがないということはまずありません。
相続税の税務調査の割合は?税務調査はどのくらい行われているのか
令和4年の税務調査件数は23,200件(うち実地調査が8,196件、簡易な接触が15,004件)でした。令和3年の相続税申告件数は169,670件でした。
令和4年の税務調査件数を令和3年の相続申告件数で割ると、税務調査件数の割合は約13.67%となり、約7件に1件は税務調査が実施されていると計算できます。
※先述の通り相続税申告から税務調査まで1〜2年の時間差があります。この記事では令和3年分の税務調査が翌年の令和4年中にすべて実施されたものと仮定します。
出典:国税庁「令和4年分 相続税の申告事績の概要」、国税庁「令和4事務年度における相続税の調査等の状況」
税務調査の「追徴課税」って何?税務調査を受けるとどうなる?
税務調査の結果、相続税の申告漏れや無申告が発覚すると、「追徴課税」といって本税(相続税)の納付だけではなく、ペナルティ(加算税)を合算した金額を納付しなくてはなりません。以下のようなペナルティがあります。
過少申告加算税 | 本来納めるべき税額より納付した税額が少ないこと(過少に申告していたこと)が発覚した場合のペナルティ。税率は追加で納める金額(増差額)の5%〜15%。 |
無申告加算税 | 申告期限までに相続税を申告しなかった(無申告)場合のペナルティ。税率は本来納める税額の10%〜30%。 |
重加算税 | 税務調査の結果、隠ぺい(財産隠し)や仮装(書類偽装)といった悪質な行為が確認された場合には過少申告加算税・無申告加算税に代わって重いペナルティ(重加算税)が課せられる。過少申告の重加算税は35%。無申告の重加算税の場合は40%。 |
国税庁によると令和4年における相続税の実地調査(税務調査)1件あたりの追徴税額(本税+加算税)は、816万円です※。追徴課税は非常に高額であることが分かります。加算税だけではなく、延滞税も発生するので注意しましょう。
延滞税 | 納付の遅れに対するペナルティ。「法定納期限(法律上の納付の期限)」の翌日から完納するまでの日数に応じて課せられる。税率について、最初のうちは低めの年2.4%(令和6年の税率)が適用されるが、2か月目を境により高い年8.7%(令和6年)の税率が適用される。 |
税務調査(実地調査)件数のうち、申告漏れなどの非違(ひい/法律違反の意)割合は85.8%であり、税務調査が行われると9割近い確率で追徴課税が発生することになります。
相続税の税務調査の流れは?どんな対応をすればいいの?
税務署からあらぬ疑いをかけられないためには税務調査(実地調査)に誠実に堂々と対応することが重要です。以降で紹介する税務調査の流れを知っておくと不安もなくなりますし、当日もスムーズに対応できます。
※「簡易な接触」については税務職員によるヒアリングベースでの簡易な手続きとなるので今回は割愛し、準備が必要で時間もかかる「実地調査」に絞って解説していきます。
税務署から事前に連絡が来る
税務調査の対象となった場合、まずは税務署から電話または書面にて日程調整と調査場所などについての連絡(事前通知)が来ます。この段階ではまだ調査内容についての話はありません。
調査場所は基本的には被相続人(亡くなった方)の自宅になりますが、
税務調査の日程調整についても「今日にでも自宅に伺いたい」などと急かされるわけではありません。一般的には事前連絡から1週間後〜3週間後の日付で調整されます。どうしても都合が合わない場合は次月の日付で調整するなど、ある程度融通は効くようです。突然スケジュールを組むのは難しいと思います。即答せず「確認して折り返す」などと伝えることもできます。
税務調査の準備をしておく
事前告知から税務調査まで時間的な余裕はあるので、税務調査に向けて準備しておきましょう。
まずは相続税の申告書を見て、間違いがないか再確認し、計算ミスがないか計算しておきます。財産についても見落としがないか、被相続人の自宅の金庫や収納の中をもう一度よく探しておきましょう。自宅に開かずの間があれば調査官に怪しまれますので、施錠されている収納や金庫がある場合は鍵も準備しておきます。
また、税務調査の対象者は相続人全員となり、可能な限り相続人全員の立ち合いが求められます。ゆえに、他の相続人との日程調整も必要です。ただし、相続人の数が多かったり、遠方に住んでいたり、高齢であったりと現実的に税務調査に対応できないケースもあります。どうしても立ち合いが難しい場合は無理に立ち合いを依頼する必要はありません。
「被相続人の預金を管理していた」「被相続人の口座から葬儀費用を引き出した」などと、被相続人とお金のやり取りがあった方はなるべく税務調査に立ち会うようにお願いしてください。
税務調査は税理士に立ち合いを依頼した方がいい
税理士に相続税の税務調査の立ち合いを依頼した方が良い理由は以下の通りです。
- 税理士と事前に打ち合わせをして、提示を求めらやすい資料の準備や質問への回答を準備することができるので、当日混乱しない
- 税務調査当日の質疑応答で回答に詰まった時に、税理士が助け舟を出してくれる
- 不備を指摘されても、税理士は税負担を増やさない方向で対応するので、もし修正が必要でも軽微な修正で済む可能性がある
調査官は想定していない質問をしてくる可能性もあります。税務調査に協力してくれる経験豊富な人間がいれば心強いはずです。税理士に税務調査の立ち合いを依頼することをお勧めします。
なお、相続税申告を税理士に依頼していた場合はその税理士が税務調査に立ち合ってくれます。相続税申告を税理士に依頼していない場合でも、事前通知が来たタイミングで税理士に相談し、立ち合いを依頼することは可能です。もし税務調査で不安なことがあれば、相続に強い税理士に相談して立ち合いを依頼しましょう。
税務調査当日午前中|聞き取り調査
実地調査は長時間に渡ります。10時から始まった場合、夕方頃までかかります。午前中は「聞き取り調査」が実施されます。一例として調査官からよく聞かれる質問をいくつか紹介します。
- 被相続人は生前、どのようにして財産を築いたか
- 被相続人の出身地や職業歴、婚姻時期、趣味、月々の生活費などについて
- 被相続人の日記はあるか
- 被相続人の印鑑はどこにあるか
- 被相続人や相続人は貸金庫を持っているか
- 相続人と税理士との関係について
- 被相続人や相続人が取引があった金融機関はどこか
- 相続人の出身地や職業歴などについて
- 相続人の家族構成(子供、配偶者)などについて
- 被相続人の配偶者の財産はどのくらいあるか
- 被相続人の死亡直前の財産管理は誰が行っていたか
- 被相続人が亡くなったときの状況について(入院・施設入居の有無や医療費・入居費など)
- 相続開始直前で出金した現金の具体的な使い道
- 生前に贈与を受けたことがあるか
調査官は申告から漏れている財産がないか、ヒントとなるような証言を根掘り葉掘り聞いてきます。一見すると「なぜそんなことを聞いてくるのか」と思う質問もあるかもしれませんが、正直に回答するようにしてください。もし質問の内容が被相続人本人にしかわからないなら、知らないと答えましょう。
12時になると午前の調査は終了となり、調査官は休憩に入ります。ちなみに、調査官は外に出て昼食をとるので相続人側で昼食を用意する必要はありません。
税務調査当日午後|現物確認調査
調査は13時頃から再開されます。調査官は午前中の質問をふまえ、通帳や印鑑など(現物)の保管場所を実際に確認していきます。このとき調査官から開示のお願いを拒否すると心証が良くないので、隠さず見せるようにしてください。調査官からの指示に従って求められたもののみを提出する、でOKです。
現物確認調査をしたうえで不審な点が見つかれば質問されるので回答します。調査官が当日の質問と相続人からの回答を書面にまとめる(質問応答記録書といいます)ので、内容を確認して署名・押印をします。
以上で実地調査は終了です。調査官は早ければ15時くらい、遅くても17時には帰ります。現地調査は1日で終わるケースが多いですが、2日以上に及ぶケースもあります。
税務調査の調査結果の連絡とその後
実地調査が終了すると、調査官は調査内容を税務署に持ち帰り、申告内容に誤りがないか精査します。ただし、先述の通り非違割合は85.8%なので、申告内容に誤りがない方が稀です。修正申告は覚悟しておきましょう。
調査の結果が出るまで2週間ほど、長くて1か月程度の期間、返事待ちとなります。調査の結果、申告内容に誤りがあるなら「修正申告」をして申告をやりなおさなくてはなりません。修正申告をしたら、追徴課税(本税+加算税)と延滞税の支払いをします。
ちなみに税務調査の結果に不満がある場合、異議申し立てができます。詳しくこの記事で解説すると長くなるので国税庁の案内に譲ります。
相続税で税務調査の対象となりやすい人の特徴
相続税で税務調査の対象となりやすい人の特徴をいくつか紹介しますので、自分は税務調査の対象となりそうか否か、ご確認ください。
自力で相続税を申告した
相続税は最初から最後まですべて自力で申告することもできます。ところが相続税申告は法律の知識が必要で、不慣れだと計算ミスが発生しやすいです。自力で相続税申告をすると、申告漏れや過少申告が発生する確率が高くなり、税務調査の対象となりやすくなります。逆に言えば、税理士に依頼して申告した人の方が、税務調査の対象になりにくいともいえます。
相続財産の総額が多い
相続財産が多ければ、相続税を申告する際に計算ミスや財産の見落としの可能性が高くなります。また、相続財産が多いと追徴課税の金額も多くなるので、税務署が優先的に税務調査を行う傾向があります。
相続財産の中でも現金や預金が占める割合が大きい
不動産のような財産は評価額(価値)の算定方法がいくつかあり、解釈の仕方で評価額が変わるなど、税務署が指摘しにくい財産です。不動産と比べて現金や預金は額面通りの金額で評価されるので、税務署が申告漏れを見つけやすい財産となっています。それゆえ、相続財産に占める不動産の割合よりも現金や預金の割合が多い場合は税務調査の対象となりやすいです。
海外資産がある
被相続人・相続人のいずれかが日本国内に住んでいる場合、財産が世界のどこにあっても相続税の対象になります。海外資産は相続税申告で漏れやすい財産の一つであり、税務署は海外資産の申告漏れや過少申告がないか目を光らせています。そのため、海外資産を相続税申告すると税務調査の対象となりやすいといわれています。
名義預金がある
名義預金とは、口座の名義人と実際にお金を管理する人が違う預金のことです。例えば、子どもの将来のために親が子ども名義の口座にお金を預けていた場合などです。口座が相続人(あなたや亡くなった方の親族)の名義でも、実質的に預金を管理していたのが被相続人(亡くなった方本人)なら、被相続人の名義預金となります。税務署の視点だと、名義預金は被相続人のお金を相続人名義の口座に預けることで、財産を隠しているように見えるわけです。
税務署は相続人の所得をある程度把握できますし、銀行口座を調査する権限を持っています。相続人の口座の預金残高が所得に見合わずに多い場合などに、税務署は「名義預金」を疑います。
名義預金は被相続人の財産とみなされ、相続財産として相続税申告が必要です。銀行口座だけではなく、証券口座も対象となります。そうとは知らず、相続税申告から漏れ、税務調査で指摘されるケースが実はよくあります。
相続税の税務調査を回避するための対策
税務調査が実施されると、追徴課税(ペナルティ)が発生する可能性が高いので、税務調査の実施は避けたいところ。対策しておけば税務調査の対象となる確率を下げることはできます。ここからは相続税の税務調査を回避するための対策を紹介します。
名義預金とみなされないようにする
特に税務調査の対象となりやすいのは、名義預金の実態がありそうなケースといわれています。被相続人からの贈与によって相続人の預金残高が増えているなら「贈与契約書」といった贈与を証明できるものを探します。税務署から指摘されたら贈与契約書を提示できるようにしておきましょう。
もし贈与の実態が証明できなくても、きちんと名義預金を相続財産として申告しておけば税務署から税務調査を受けることはありません。相続税を申告した後に名義預金の存在に気づいたら、申告漏れがあったとして修正申告をしましょう。
自主的に修正申告を行えば、税務署から指摘を受けてから修正申告を行うよりも無申告加算税や過少申告加算税などのペナルティを低減させることができます。
被相続人の財産をすべて把握して申告する
税務署が税務調査を実施する理由は、申告から漏れた財産がないか確認するためです。当たり前かもしれませんが、相続財産を漏れなくすべて把握して申告していれば問題ありません。
相続が開始したら「相続財産調査」を徹底してください。相続財産調査とは、その名の通り、被相続人の財産をすべて調べ上げて、確定することです。
例えば不動産であれば固定資産税納税通知書や名寄帳などを活用し、遠方の別荘や生家など相続人が存在を把握していない不動産がないか調査します。現預金であれば遺品整理を徹底し、タンス預金がないか、把握していない預金口座がないか調査します。
税理士に相続税申告を依頼する
税務調査を回避するためには計算ミスをなくし、納めるべき相続税の金額を誤ることなく申告することが重要です。簡単に思えますが、不慣れだと計算ミスもあり得ます。
税申告を専門とし、経験豊富な税理士ならば、相続税の申告書作成時に計算ミスをする確率は低くなります。また税理士に申告書の作成を依頼すると申告書には税理士の署名が入るので、税務署からの信頼度も高くなります。このように税理士に相続税申告を依頼することが、税務調査を回避する手段として有効です。
まとめ:相続税の税務調査は税理士に相談
- 税務調査には任意調査と強制調査の2種類があり、基本的には事前に調査の連絡が入る任意調査となる(いきなり自宅に押し掛けてくることはない)
- 税務調査は申告から1~2年後の夏~秋頃に来やすい
- 税務調査が行われると9割近い確率で追徴課税が発生する
- 相続税の場合、相続財産の総額が多かったり、名義預金があったりすると税務調査となりやすい
- 相続税申告で税務調査とならないためには、名義預金とみなされないための準備や税理士への相続税申告の依頼といった対策が有効
もし税務調査となった場合、先述の通り、立ち合いを税理士に依頼すると心強いです。ただし、税理士にも得手不得手があるので、相続税案件を得意とする税理士を選ぶようにしましょう。税理士の選び方については別記事で詳しく解説します。